経営者の意識が変化?

「会社は誰のものか」が「株主」から「従業員」に逆転

2006.09.14 THU

日本能率協会グループが発表した「新任役員の素顔に関する調査」によると、「誰の利益を最重視するか」との質問に対し、「従業員」とする回答が「株主」を初めて上回ったというニュースが新聞で報じられていた。2002年以降、4割前後で推移していた「株主」との回答が25.1%まで下落。一方で3割程度だった「従業員」が42.3%まで上昇し順位が逆転したらしい。経営者の意識も、変わり始めているということなのか。

会社は誰のものなのか。経済の調子が良かったバブル期まで、そんな問いかけは日本では話題になることがほとんどなかった。漠然とイメージがあったのは、やはりそこに勤める従業員のもの。もっといえば、広く社会のもの、という印象だった。

だがバブルが崩壊。世の中のいろいろな仕組みが見直されていくなかで、漠然としたイメージが許されなくなっていく。うまくいっていたときには表に出てこなかった“利害”というものの存在が一気に噴出したのだ。「資本主義とは何か」という論理を追求すれば、答えはすぐに出てくる。資本の出し手こそ、会社の持ち主というもの。つまり経営者や従業員がいるだけでは会社は生まれない。資本の出し手の存在があって初めて、会社はできる。アメリカでは、この考え方が当たり前のように浸透していた。会社は明らかに株主のものである、と。

そして日本にも広がり始めたこうした資本主義の論理は、経営者の目を株主へと向かわせていった。いかに株価を高めるか。いかに株主に報いるか。だが、その行き着いた先が、アメリカではエンロン事件であり、日本ではライブドア事件、村上ファンド事件だった。株価さえ上がっていれば果たしていいのか。マネーゲームを目的とした投資家も果たして株主なのか…。こうした疑問符が、冒頭の新任役員の意識につながったのかもしれない。だが、何事も行きすぎは危険。株主軽視もやはり問題なのだ。今の経営者には、なんとも難しいバランスが求められている。

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