海外に仕事が流れていくって本当?

“オフショアリング”の波がもうすぐ日本にも…

2006.12.07 THU



写真提供/AFLO
「日本が格差社会になってしまったのは、小泉改革のせいだ」。テレビを見ていると、そんなふうにいきり立っているコメンテーターがいるけど、その意見は本当に正しいのだろうか。

答えはノーだ。なぜなら、格差拡大はなにも日本に限った話ではなく、アメリカでもヨーロッパでもほとんどの先進国で同じことが起きているからだ。では何が格差をもたらした正体なのかというと、その答えはズバリ、グローバル化とIT化だ。

理屈は単純。世界中の市場が一つになればなるほど、他の人にはない能力を持った人を欲しがる企業が増えるので、彼らの給料は上がる。逆に、誰でもできる仕事をしている人は、どこにでも代わりがいるので、企業は給料を抑えようとするわけだ。

象徴的な例が、“オフショアリング”と呼ばれる海外向けのアウトソーシング。アメリカでは今、インドに住むインド人を家庭教師として雇い、ネットで授業を受けるサービスが大人気。アメリカ人を雇うと40~100ドル/時もかかるのに、インド人なら15ドル/時程度だ。ほかにも、プログラミング、税務申告書の作成などアメリカからインドに仕事が次々と流れ出ている。

そして今、日本でも同じことが起きようとしている。たとえば、システムエンジニア(SE)業界。今は景気がいいので「人がいなくて困る!」という声が強いが、先進的な企業では、日本の下請け会社に出していた仕事を中国に移し始めている。「3年後、スキルの低いSEの給料は3割下がって、5年後には職を失う」と予測する専門家もいるほどだ。そのほかに、人事・経理の事務作業なども海外流出の可能性がある。

これまでは「雇用の海外流出」なんていうと、製造業の話ばかりだったけど、これからはサービス業も例外ではない。異分野の知識を組み合わせたり、営業力を磨いたりして、自分の価値を高めないと将来は危うい。「俺は安心だ」と思っているあなたも、5年後に備え、今から動き出そう。


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