「欧米にならえ」だけでホントによいの?

著作権の保護期間延長が再び議論になったワケは?

2006.12.14 THU

著作権には保護期間というものがある。日本では作者の死後50年だが、映画に関しては2003年の法改正により70年に延長された。そして今年の9月22日、映画以外の著作物についても、保護期間を70年に延長することを求める要望書を、著作権関連団体が文化庁に提出した。

その言い分を簡単にまとめると「欧米諸国がそうだから」というもの。たしかに、欧米諸国は「死後70年」を保護期間としている国がほとんど。つまり日本の著作物の保護期間が短い分だけ、コンテンツビジネスで損失が生じる、という理屈である。たとえば、日米の作家AさんとBさんが2000年に死去したとしよう。すると日本では、Aさんのみならず出版社も2050年で権利は切れる。それ以降は、どの国で翻訳されようとも、著作権者や出版社にお金は入ってこない。ところがアメリカのBさん(の親族)と出版社には、2070年までは海外で翻訳されればお金が入ってくる。それはまずいでしょ、というわけだ。

こうした主張に対して、異論、反論も多い。反対派に言わせれば、保護期間延長をして得するのは、著作者の親族や複製権を持つ企業だけ。「著作権」には、“保護期間後には人類の共有財産として有効活用しよう”という理念も含まれている。保護期間をむやみに延長するのは、既得権益を守るために、著作権を持ち出しているだけではないの? と反論を投げかける。

実際、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のアニメ化、サン=テグジュペリの「星の王子さま」の翻訳など、著作権が切れた後、新たに作品化されたことで再び注目を集めたケースも多い。

11月には、日本国内のクリエイター、ジャーナリストらが発起人となって「著作権保護期間の延長問題を考える国民会議」が発足し、より慎重な議論の必要性を呼びかけた。ネットが普及して、誰もが著作権者たりえる時代だけに、他人事では済まされない問題だ。


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