個人は消費税アップの噂なのに?

最近、よく耳にする「企業減税」のなぜ

2006.12.21 THU

800兆円以上の借金がある日本。財政をなんとか立て直すためにも、消費税をアップしないといけなくなるのではないか。そんな話をメディアでよく耳にしたのは夏ごろだったが、秋以降、どういうわけだが企業に対する減税の話が盛り上がっているようなのだ。11月13日、日本経団連の御手洗冨士夫会長は、現在39.54%(標準税率)の法人所得課税の実効税率を、「30%を目標にすべきだ」と約10%引き下げるよう記者会見で求めたという報道があった。額にすると4.4兆円もの大規模減税。消費税では、なんと2%に相当する。

政府はすでに2007年度の税制改正で「減価償却制度」の見直しを計画中。減価償却は、機械や建物などについて、価値が毎年目減りしていく分を経費にできる制度だが、見直しが実現すれば、経費分を多くすることができるようになる(減価償却の限度を対象の95%としていたが、欧米並みに100%にする。つまり5%相当分が新たに経費として認められる)。その結果、実質的な企業減税は5000億円規模になるという。この減税がほぼ決まっているのに、もっともっと減税せよ、という声なのだ。

実はこうした「企業減税」ムードの背景にあるのは、経済成長を重視する安倍政権への移行だ。大臣や経済財政諮問会議の議員も、財政を再建しようというよりは、企業の競争力を重視する考え方の顔ぶれがズラリ。企業の税金を安くして資金力を高め、国際競争力をつけて企業を儲けさせ、さらなる経済成長を成し遂げよう、結果的に企業に利益を高めてもらって税金を多く納めてもらおう、という作戦のようなのだが…。

個人所得に関しては、小泉政権下の税制改正により、「定率減税の全廃」などで3.9兆円の大増税になった。さらに、個人の懐をまさに直撃することになる消費税増税の噂は消えない。この時期に、日本経済のため、企業の競争力のため、将来の税収アップのためとはいえ、企業だけ減税。さて、みなさんはどう感じます?


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