慶應大と共立薬科大、統合を発表

生き残りをかけ、大学ビジネスに異変?

2006.12.21 THU



写真提供/時事通信
大学は今や厳しい生き残り競争の時代を迎えている。文部科学省が大学認可基準を緩和した90年代、大学は新設ラッシュとなった。1992年からの10年で増加数は122校にものぼる。進学率増加を見込んでの新設だったが、実際には少子化で18歳人口は減り始めていた。92年の205万人が、15年ほどで半分以下になることは、実は早くからわかっていたことなのに…。

そして90年代後半から始まった入学定員割れ。2002年の時点で3割近い大学が定員割れを起こし、今やその数は6割に達するとも。つまりは、選ばなければ誰でも入れる時代なのだ。半面、5%の難関大学に受験者全体の45%の出願が集中するとされ、大学間格差が激しさを増している。そして2007年に到来する「大学全入時代」。入学希望者数が、入学定員を下回ってしまう時代がすぐそこに来ているのだ。

もちろん多くの大学が、学生を集めようと必死に知恵を絞ってきた。大学の説明会ともいえるオープンキャンパスなど昔はなかったが、今や大学が交通費を負担してくれるところもある。入試方法も多様化し、地方都市での試験開催も増えた。就職先や取得できる資格のPRにも余念がない。危機感を持って先手を打ってきた大学も多い。

実はアメリカでは、80年代に一足先に大学淘汰の時代を迎えた。18歳人口の減少で、3000を超える大学の1割から3割が閉校するという予測があったが、それは避けられた。社会人やパートタイムなどの学生募集に成功したからだ。今もアメリカでは幅広い年齢層の学生が学ぶ。戦略転換で学生数を減少させなかったのである。

ところが日本では、学生人口が減少しても、社会人が学ぶ人口の増加でカバーできるとした“甘い予測”が外れ、現在の厳しい状況を生んでいる。実は大学の統合は、社会人にとっても無関係ではない。今後は大学で学び直したいR25世代も大学ビジネスのターゲット。僕らにとっては、うれしい時代が来るかもしれない。


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