日本の財界は反対?

外国企業による買収が容易になる「三角合併」って?

2007.01.05 FRI

2007年の経済キーワードのひとつに「三角合併」が挙げられるだろう。06年5月の商法改正で実施されるはずだったが、買収防衛策の猶予期間として1年延期された。それがいよいよこの5月に本格実施を迎えるのだ。

三角合併は、1999年の商法改正で国内企業に限り可能になった「株式交換」による買収方法のひとつ。かつて会社の買収は、現金で相手の会社の株式を買い取るしかなかった。しかし株式交換なら、現金の代わりに自社の株式を使い、買収相手の株式と交換することで吸収合併することができる。つまり、現金を用意しなくても、価値を持つ自社株さえあれば買収ができてしまうということ。三角合併は、いわばこれを国際規模で可能にしようというものだ。

Aという外国企業があって、Cという日本企業を買収したいとする。現行法では、外国企業による日本企業の直接合併は認められていないため、まずAはBという日本子会社を作る。通常の株式交換なら、BとCとの株式交換だが、「三角合併」が解禁されると、Bは自社株ではなく、親会社のAの株式を交換に使っていい、となるのだ。結果的に、Cの株主が受け取るのはAの株式。つまり、外国企業Aは、日本企業Cを実質的な株式交換で買収することができる。

三角合併が生まれたのはアメリカ。どうしてこんな仕組みが生まれたのかというと、大規模な企業買収をしやすくするため。時価総額の大きな企業は、資金繰りの不安なく、株式の交換で買収が容易にできる。

日本の三角合併導入の背景には、経済産業省による“国際標準の導入を”という意識があるらしい。しかし、実際には、三角合併を認めているのはアメリカだけ。ヨーロッパにはない。また、もし三角合併が実施されて先ほどのCの株主がAの株式を手にできても、Aは外国株式。国内では換金ができない。財界から反対の声があるのは、単に外国企業の買収が怖いからというだけではない。このキーワード、覚えておいて損はなさそうだ。

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