起業から30年で鉄鋼世界一へ

「アルセロール・ミッタル」を生んだ大富豪インド人CEOとは?

2007.01.11 THU



写真提供/(C)Reuters/AFLO
2006年のフォーブス「世界長者番付」で世界一の大富豪に輝いたのはアメリカのビル・ゲイツ氏だが、アジアで唯一ベスト5入りし、第5位に入ったのが、個人資産が250億ドルを超えたインド出身のラクシュミ・ミッタル氏だ。彼がCEOを務める企業が、アルセロール・ミッタル。鉄鋼業界で世界第2位のアルセロールの買収に成功、粗鋼生産で世界の約10%のシェアを誇るまでになった世界一の鉄鋼企業である。

1950年生まれのミッタル氏が鉄鋼企業ミッタル・スチールを設立したのは、76年。90年代から、カザフスタンなどの鉄鋼メーカーを次々と買収する戦略を展開。2000年以降には、アルジェリア、ルーマニア、チェコ、ポーランドなど9カ国で買収を繰り返してさらに規模を拡大していった。さらに05年にはアメリカのISGを傘下に収め、一気に粗鋼生産量で世界一に。小さなメーカーが小さな国の鉄鋼メーカーを買収し、わずか30年で世界14カ国の20メーカーを傘下に収める巨大グループに急成長したのだ。

インド出身だが、インドネシアで起業しているのが、後の彼を象徴しているかもしれない。母国インドには、ほとんど経営基盤はなく、主要生産拠点はアメリカとヨーロッパに、本社はオランダにある。そして本人はイギリスに住む。特定の国に足場を置かないのは、ミッタル家一族による家族経営にも都合が良かったらしい。

2006年に誕生したアルセロール・ミッタルの年間粗鋼生産量1億1000万トンがどのくらいすごいのかというと、直近のライバルで統合前まで世界第3位だった新日本製鐵の年間生産量の実に3倍の規模なのだ。鉄鋼業界ではこの統合を機に一気に再編の嵐が吹き荒れた。イギリスの大手コーラスはブラジル企業からの買収提案に同意。新日鐵は韓国のポスコとの提携を強める。アルセロール・ミッタル社にラクシュミ・ミッタル氏。今年、知っておきたい名前である。


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