地域経済圏はEUだけじゃない

南米共同市場=メルコスルが世界に与える影響とは?

2007.01.11 THU



写真提供/AFP=時事
ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、そしてベネズエラ――。ここ数年、このラテンアメリカの5カ国が世界中の注目を集めているのを知っているだろうか。

その理由は市場規模。じつは中南米では95年にブラジルなど4カ国が「メルコスル」(南米共同市場)という関税同盟を発足させたのだが、そこに昨年7月、ベネズエラが正式に加盟。これによって、準加盟国の5カ国を含めると総人口2億5000万人、年間総生産(GDP)1兆ドルという巨大経済ブロックが誕生したからだ。しかも将来的には憲法や通貨も共通にし、「ラテンアメリカのEU」を目指すという。

でもなんで中南米がEU化しようとしているのか。その理由は、直接的には米国が主導する市場経済主義に対抗するため、歴史的には、ラテンアメリカの国々には長いあいだ政治的・経済的に米国に干渉され続けてきたという“現実”があるからだ。

たとえば90年代以降をみても、中南米では米国の市場経済主義によって貧困層が拡大し、失業者も増大――。そのため反米意識が強まり、一昨年11月から中南米12カ国で続いた大統領選ではそのうち7カ国で反米候補が当選したくらいなのだ。その象徴がベネズエラのチャベス大統領で、ブッシュ米大統領を「悪魔!」と呼んだりとあからさまに米国を敵視。もちろんすべての中南米の国が極端な反米というわけではないが、経済のグローバル化に飲みこまれないためには、地域を統合し、より大きな市場をつくる必要があったのである。

そして考えてみるとこれはひとごとではない。中南米の問題はそのまま日本にあてはまるところがあるし、地域共通の経済圏をつくることは世界的なテーマ。でも、日本では自民党が東アジア共同体の構築をマニフェストに掲げているが、その後どうなったかという話はほとんど聞こえてこない。EU、メルコスル、北米自由貿易協定…。日本やアジアだけ乗り遅れたなんてことにならなければいいのだが。


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