広がる「格差」は日本を超える!?

“長者番付”に見る中国の大富豪事情

2007.02.01 THU



写真提供/AFP=時事
まず、豊かになれるものから先に豊かになれ――。トウ小平が唱えた「先富論」を金看板に、中国は猛烈な高度成長路線を歩んできた。そして、中国のGDPは世界4位の規模にまで拡大したのだが、その過程で国内には目もくらむほどの格差が生まれてしまった。

中国の富豪ランキングとして著名な「胡潤百富」2006年度版では、中国のお金持ちトップ500人の最低ラインは資産8億元(120億円)。05年度版ではトップ400人の最低ラインが5億元だった。年々、金持ちへの富の集中度が上がっているわけだ。中産階級以下との所得格差はどんどん開くばかり。

企業はリストラに血眼で、中国では年間100万人以上の大学生が卒業と同時に失業者になっている。不満のマグマは社会に沈潜する一方だ。これではさすがにマズイ、ということで胡錦涛政権は「和諧(調和)社会」というキャッチフレーズのもと、腐敗糾弾やら、社会保障の拡充やらに動き出した。だが、それで格差が是正されるなどと期待している庶民はいない。せめて、富豪ランキングを眺めて憂さを晴らすのだ。そう、このランキングの正しい楽しみ方とは、「誰が入ったか」よりも「誰が消えたか」を追いかけることにある。

たとえば、昨年に推定資産26億元で48位にランクインしていたが、今回は圏外に消えた張栄坤氏。彼は昨年7月、上海社会保険事務局から不正に32億元を流用し、高速道路の経営権を買ったとして逮捕された。これが、胡錦涛政権による「上海グループ」一掃のきっかけとなった。政治と密着することが富への早道である国だけに、転落するときも実にあっけない。

そこまでいかずとも、昨年に絶好調だったIT長者は軒並み順位を下げた。今年は上位に不動産業者が並んでいるが、一寸先は闇だ。現在発売中の『週刊東洋経済』に収録された「胡潤百富」ランキングには、そんな富豪たちのドラマが詰まっている。


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