ユーロの流通量がドルを超えた!

ユーロが「強い通貨」となった8年の歴史とは?

2007.02.08 THU



写真提供/AFLO
年末の新聞に出ていた小さな記事に驚いた人も多かったのではないか。欧州単一通貨ユーロの12月の流通量が、アメリカのドルを超えることが確実になった、と。本格流通から5年。ユーロは、世界の基軸通貨ドルを超える流通量を誇る通貨になっていたのだ。

戦乱の歴史を繰り返してはならないという英断から誕生した欧州連合は、国の通貨発行権まで放棄する驚くべき決断をした。その結果、生まれたのがユーロだった。導入には「政府の累積債務がGDPの6割以下」などの厳しい条件があり、欧州連合27カ国のうち現在は13カ国が発行を許されている(ちなみに日本は条件をクリアできない!)。そして流通量もさることながら、近年ではドルに対しても円に対しても最高値圏の「ユーロ高」が続く。本格流通の時点から、円で約3割、ドルでは約5割も高いという“強い通貨”になっているのだ。

だが、ユーロとて最初から順風満帆ではなかった。99年にまずは銀行間取引などからスタートした後、予想もしない大幅な下落にさらされたのだ。一時はスタート時から3割も下回るほどの下落ぶりだった。背景には、経済成長率が上回るアメリカへの資金流出などがあったが、何より大きかったのは、通貨としての信頼度の低さだった。

これが大きく反転したのが、イラク問題だったと言われる。ユーロを支えるドイツやフランスは、イラク戦争に強硬に反対。アメリカの世界支配への対抗を印象づける。これが、結果的にユーロの国際通貨としての地位を高めることになった。以後、ヨーロッパ経済の復調とともに、ユーロはその地位をどんどん高めていった。中東ではユーロでの石油代金の決済が増加。中国も外貨準備の配分見直しをするという。

欧州連合もユーロも、今後の拡大は確実。世界の通貨に占めるユーロ比率は、今後さらに高まる可能性が大きい。そういえば、年明けの安倍首相の外遊は、アメリカではなくヨーロッパから始まった。これも何かの意思表示、なのかも。


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