自ら「上場廃止」する会社が増加

上場のメリットって、何だったんだっけ?

2007.02.08 THU



イラスト:Saku@アドマンガ
ベンチャー経営者の夢や目標として、よく語られるのが株式の上場。ところが、上場を目指す会社がある一方で、上場を廃止する会社も増えてきた。不祥事などで仕方なしに廃止にするのではない。経営者自らが望んで上場を廃止にするのだ。例えば、ファミレスのすかいらーく、「牛角」や「am/pm」などを展開するレックス・ホールディングス、アパレルメーカーのワールド…。

会社の上場にはもちろん魅力がある。資金の調達手段の拡大、社会的な信用の高まり、人材採用への効果…。しかし一方で、面倒なことが出てくるのも事実だ。何より株主を意識した経営をしなければならなくなる。事務作業も膨大、上場を維持する経費もかかるし、人員も必要になる。株を買い占められる買収リスクも今や大きい。

なかでも最も大変なことは、長期的な視点で経営するのが難しいことかもしれない。例えば、店舗の業態が古くなったり、設備が古くなったりして、一気に新しいものに変えたいと考えたとする。長期的な業績アップを考えれば、変えたほうがいい。しかし、短期的には工事中の業績はダウンしてしまう。今や四半期決算(3カ月に一度、決算をして経営成績を公表しなければならない)時代。業績ダウンは、あっという間に株価や株主に影響を与えかねない。

こうした中で登場してきたのが、「MBO」という手法。経営陣が、すべての株を株主から買い取って、上場から非上場会社にしてしまうのだ。時には数千億円もの買い取り費用がかかるケースもあるが、投資ファンドや金融機関が資金の調達を引き受けてくれる。

実は日本の年間新規上場企業数は、今やアメリカより多い。アメリカの上場基準が厳しいこともあるが、上場のデメリットも考えた慎重さの表れともいえる。一方で日本では、資金調達の必要もない事業なのに上場することが目的で上場する会社もある。上場のメリット、デメリット、改めて理解しておきたい。


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