1月末、日本銀行が利上げ先送り

大騒ぎの背景になった日銀の独立性って、なぜ?

2007.02.22 THU



写真提供/時事通信
日本銀行が1月の利上げを見送った。この決断をめぐって大騒動。政府や自民党の圧力に屈したのではないか、と。でも、考えてみれば、国全体の経済運営なのだから、政府と日銀が話し合って決めればいいのでは…とも思えるのだが、実はそう話は単純ではない。「中央銀行の政府からの独立性保持」は、近年の資本主義国家の大原則なのだ。

そもそもどうして政府は、金利を上げたくなかったのか。景気は政府の重要課題。極端な話、政治はバブルでもいいのだ。景気はいい。消費も上がる。そうなれば政府も信任される。選挙も勝てる。言うことナシなのである。逆に、景気を悪くするようなことはしたくない。例えば、金利を上げると、困るのはお金を借りている人たち。企業経営者は設備投資の意欲がそがれ、これが景気に悪影響を与えかねない。政府としては、7月に選挙もあるし、景気の腰折れをさせるような動きはしたくなかった。

好景気は、政府も国民も求めたがる。だが、往々にして景気は行き過ぎる。そして問題が出てくる。例えば、インフレ。値段が高くてもモノが売れるとなれば、物価はぐんぐんと上がってしまいかねない。しかもこのインフレ、一度火がつくとなかなか退治できない。物価高はやがて人々の日々の生活を直撃、お金(貯金)の価値も目減り、景気は急降下へ…。そんなシナリオも起こり得る。たとえ景気を一時的に冷やしてでも、急激なインフレが起きないよう物価の安定に目を光らせるのは、中央銀行の重要な役割なのだ。ひとり冷静に景気を見つめるためにも、金融政策は独立した組織の中立的・専門的な判断に任せた方がいい、というのが独立性保持の背景である。

そして独立性が揺らげば、その国の通貨の、世界からの信頼感も揺らぐ。実は今回の利上げ先送り、欧米のメディアは、日銀に厳しい見方をしている。実際、円も下落。日本の通貨への世界的信頼が揺らいだとすれば、本当はもっと騒いでもよかったくらい、のニュースだったのである。


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