現金振込はわずか10万円に制限

銀行ATMからの現金出し入れ制限の理由

2007.02.22 THU



イラスト:ホリユウスケ
銀行ATMで去年まではなかったステッカーが貼られている。ATMから現金で振込をする場合は上限が10万円になった、と書いてある。本人確認法なる法令の改正で2007年1月4日以降、1回につき10万円を超える現金を振り込む場合、金融機関には本人確認を行うことが義務づけられたのだ。つまり、本人確認ができないATMでは、10万円までしか振り込めないということ。なんでこんなことを今さら?

一部の銀行のホームページには、その理由が「資金洗浄およびテロ資金供与防止に向けた国際的要請による」ものだと書かれている。要するに、マネーロンダリングや、テロ活動への資金流出の防止である。考えてみれば、現金での振込は出し手が誰だかわからない。犯罪で得た現金をいくつかの口座を経由したりして、「きれいなお金」にすることもできる。また、テロへの協力者は自分の身を明かさずに資金を供給できる。

日本人にはあまりピンと来ないのだが、欧米では緊張感がまるで違う。最近も、日本のメガバンクが、アメリカの中央銀行から「マネーロンダリングの監視体制が不十分だ」と業務改善命令を出されている。今回の本人確認法改正も、緊張感の高い国際的要請により、すべての金融機関が受け入れたのだ。ちなみにキャッシュカードからの振込なら、10万円の上限は関係ない。

もうひとつ、銀行ATMといえば、1日の現金引き出しの上限を設ける銀行が昨年から出てきているのをご存じだっただろうか。例えば、メガバンク3行は1日50万円まで。なんとATMでは、1日にそれ以上は引き出せないのだ。理由は、犯罪対策。万が一のキャッシュカードの偽造・盗難のため。さらには振り込め詐欺への対策として。いろいろ不便で面倒である。だが考えてみれば、命の次に大事なお金が、薄っぺらいカード1枚と、たった4桁の暗証番号で守られていたりするのが現実。もっと冷静に、自分なりのセキュリティ対策を考えるべき時代かもしれない。


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