少子化はなぜ「よくない」ことなの?

人口増加と経済成長率って、相関関係があるの?

2007.03.01 THU



写真提供/時事通信
少子化関連のニュースを見るにつけ、どうもピンと来ないことがある。「少子化対策」という言葉が示すように、少子化は、歯止めをかけなければいけないもの、と一般的には考えられている。

でも、もう一歩深く考えてみよう。どうして少子化は「よくないこと」なのか。

模範解答は次のようなものだ。「少子化によって国の人口が減ると人々の消費も減り、労働力も減るから、日本の経済力が低下する」。要するに、人口減少によって国が貧しくなってしまうということだ。

だとすると、先進国のなかでは例外的に出生率2.0前後を維持しているアメリカが、今後も高い経済成長率を示すことになるのだけど、実際のところはどうだろう? 事実関係から見てみよう。たしかに先進国のデータによれば、人口増加と経済成長率とは相関関係が認められる。ただし、きれいに比例しているわけではなく、緩やかな相関関係がある程度。考えてみれば当たり前だけど、経済成長は人口(市場規模や労働力)以外にも、労働力の質や技術水準など、様々な要素が反映される。極端にいえば、子だくさんだけど、技術水準の低い国は、どれだけ人口が増えても、経済は成長しづらいのだ。

もう一つ、こんな統計結果がある。人口増加と一人当たりの経済成長との関係を調べてみると、なんと相関関係はゼロ。つまり一般論としては、人口の増減は、僕らの生活水準には影響はないらしい。

「生活水準が変わらないなら、少子化で人口が減っても大丈夫なのでは?」と思うかもしれないが、日本の場合、財政赤字や「超高齢化」による社会保障制度の維持という問題もあるため、国全体の経済成長も欠かせない。

とはいえ、人口増加は、あくまで経済成長の要因の一つで、決定的な要因とまではいえないのだ。冷静な議論をするためにも、一度、少子化の是非をじっくり考えてみてはどうだろう?


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト