温暖化ガス削減に一役

国内初の「排出権取引所」がスタートする?

2007.03.22 THU

見慣れない用語のニュースに疑問符がついた人も多かったのではないだろうか。国内初の「排出権取引所」を、国際協力銀行などが設立する予定だという。地球温暖化の恐ろしさは、ゴア元米副大統領の『不都合な真実』でも話題だが、10年前に世界的な会議が開かれ、地球温暖化ガスの排出削減を目指して合意がなされていた。「京都議定書」である。そして先進国には、ガス排出の抑制義務が国ごとに数値目標として定められた。1990年を基準に、アメリカは8%削減(批准せず)、EUは7%削減、日本は6%削減、ロシアは0%。途上国は抑制に配慮はするが、排出制約は負わなかった。

京都議定書では、より柔軟な発想で世界全体の削減を進めようというスキームが用意された。そのひとつが、「排出権取引」だった。例えば、ある国は削減目標をクリアし、もっと頑張ろうと1.5倍の削減を達成したとする。そうすると、この0.5分を「排出権」として、削減目標を達成できていない国に売ってよい、としたのだ。また、削減目標が定められていない途上国に、先進国が環境にやさしい最新設備を入れるための資金的・技術的協力を行うことでも、「排出権」は手に入れられるとした。

実は先進国が負った削減目標は、かなり厳しいものだった。もちろん国内努力もするが、排出権を手に入れることは削減目標に近づくことを意味する。実際、2012年までに二酸化炭素排出を年間50万トン削減する目標を持つ先進国は、半分を排出権の獲得でまかなうと見られている。排出権は、どの国も欲しいのだ。

国だけではない。EUでは、一定規模以上の企業の事業所に排出量の上限が割り当てられている。アメリカやEUにはすでに排出権取引所があり、排出権が企業間でも売買されているのである。日本では、企業への割り当ては行われていないが、独自の削減目標を作り、排出権を求めている企業もある。この言葉、今後はちょくちょく見かけることになりそうなのだ。

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