いったい何をしているの?

映画のクレジットで見る「製作委員会」とは何者だ!

2007.03.29 THU



イラスト:藤田俊男
最近よく目にする「○○製作委員会」。昨年の邦画興行収入ベスト10のうち、実に9作品が製作委員会方式をとっていたのだ。しかしこの委員会って、いったい何をしてるの?

某配給会社の広報によると「製作委員会とは、複数の出資会社で構成される、映画製作のための組織」とのこと。簡単にいえば『お金を出し合って映画をつくって、ヒットしたら利益を分けましょう』てわけ。複数社から出資を募るので、最近の製作予算の増大にも対応でき、かつ出資者のリスクを分散できるメリットがある。一方で、出資者の合議制で予算やスケジュールが決まるので、調整に時間がかかるというデメリットもある。

出資者には、配給会社、テレビ局、広告代理店、出版社、芸能プロダクション、レコード会社などが多く、企画を立ち上げた会社が幹事となり、調整作業や折衝業務を行うのが通例。そして、各社はただ出資するだけでなく、自社の強みを存分に生かして映画をバックアップする。例えば、テレビ局なら特番でPR、レコード会社なら主題歌やサントラ制作、芸能プロは主役やプロモーションに所属俳優をブッキング、広告代理店はCM制作やメディア展開などを行う。これらのバックアップで映画がヒットすれば、原作本や主題歌が売れる、俳優の評価が上がる、視聴率が見込める放送権を得るなど、付随した利益を生みだすこととなる。この複合力が最大のメリットだという意見も多い。

キネマ旬報映画総合研究所の掛尾良夫所長いわく「最近の映画は予算増大で、1社だけの製作は限界を超えてきています。よって製作委員会は、日本映画界のスタンダードになるのではないでしょうか。ちなみにハリウッドでは、製作委員会ではなく、製作にかかわらない投資家の資金を活用する映画ファンドが増えています」とのこと。

製作委員会がお金のためだけのものではなく、良質な作品を生みだすシステムであることを望みたい。


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