株安・円高の“春の嵐”に列島震撼

3月の世界同時株安の主犯?「円キャリートレード」とは

2007.04.05 THU

2月27日の中国・上海市場で起こった株価急落は、ヨーロッパ、アメリカ、そして日本をぐるりと襲い、世界同時株安という“春の嵐”をもたらした。しかも日本の場合は、株安が進むと同時に円高にも見舞われ、一時は1割も値を下げる事態に。やっぱり中国市場はバブルだったんだ、と話を片付けてしまうのは簡単なのだが、実は今回の世界同時株安、そして円高には、日本の通貨である円が大いに関係していたようなのだ。そのキーワードが「円キャリートレード」という聞き慣れない言葉だった。

超低金利政策が進められてきた日本。預金者泣かせの低金利だが、逆に笑った人もいた。お金を借りる立場なら、空前の低金利で借りられたのだ。世界中でちょっとでも多くの利益を出そうと知恵を絞っている投資家たちが、この魅力に気づかないはずがない。投資資金を借りるのに、ドルやユーロなら5%、6%といった高金利がかかる。ところが円なら2%ほどでいい。同じ投資利回りが10%だったとしても、円で借りていれば大きく儲けられるわけだ。しかも、為替の変動でも利益が狙える。

そこでヘッジファンドなどが円で資金を借りて、高い利回りの出せる世界の投資先に大規模に投資していく流れが起きた。これが「円キャリートレード」だった。そして、この円を使った投資資金が、世界中の株式市場にどっと流れ込んだのだ。世界的な株高を演出していた役者の一人は、実は超低金利の日本の円だったのである。

ところが株価が急落。下がり過ぎると、金利の低い円とはいえ借金は重くのしかかる。そこで株を売って利益を確定させ、円に変えてさっさと借金を返す動きが加速したのだ。円に換えるとなれば、市場から円を買わねばならない。円の需要が高まり、円高が加速することになった。世界同時株安で円高。その背景のひとつには、こうした「円キャリートレード」の存在があったのである。日本の異常な超低金利は、こんな影響も及ぼしていたのだ。


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