日興はシティグループ傘下入り?

シティバンクがバブル後に日本で取った戦略とは

2007.04.12 THU

証券業界第3位の日興コーディアルグループが、アメリカの金融大手シティグループの傘下入りを決断したニュースは国内外に大きな衝撃を走らせた。シティグループは、1998年、アメリカの大手金融機関のシティコープとトラベラーズ・グループが経営を統合して生まれた世界最大級の金融グループ。2006年末時点の世界の時価総額ランキングでは、世界4位につけている。

シティグループは、銀行、投資銀行、クレジットカード、証券などさまざまな企業を傘下に持つ持株会社だが、日本で最も馴染み深いのは、やはり銀行のシティバンクだろう。だが、日本でシティバンクが人々の間で今のような認知を深めたのは、実はバブル崩壊後、もっといえば97年の金融危機後だった。とりわけ当時は先進的な個人向けビジネスを行う外資系銀行として毎日のようにメディアに取りあげられ、支店には行列もできたほどだった。

シティバンクが日本で本格的な個人向けビジネスを始めたのは、バブル絶頂期。だが、世界の時価総額ベスト10に8行も日本の銀行が入っている状況のなか、人々が外資系銀行に送る視線は冷たかった。ところが、ここからシティバンクは業界をあっと言わせる大胆な戦略を次々に採り始める。このあたりは当時シティバンクに在籍していた著者による『金融マーケティングとは何か?これがプロの戦略だ』(広瀬康令著)に詳しい。

従来の金融業界ではありえなかった金利を前面に打ち出した広告戦略、住宅ローンの「借り換え」という当時はなかった需要の創出、日本で初めての24時間ATM開放、さらにATMの手数料無料化、個室やブースでの接客…。邦銀の不良債権問題とまさに対照的な、斬新な戦略やサービスが人々の心をつかんでいったのだ。まさに戦略とサービスで支持を着実に勝ち得ていった銀行なのである。日興コーディアルグループへのTOBは、3月15日に始まった。今後の動向に注目したい。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト