人材流出が懸念。このままでは危機!?

介護ビジネスの未来のために必要なこととは?

2007.05.10 THU


訪問介護大手の企業が、介護報酬の不正請求などで東京都から業務改善勧告を受けた、というニュースがあった。もちろん不正はあってはならないこと。だが背景に、介護ビジネスが置かれている厳しい現状があることも知っておく必要がある。とりわけ昨年春の介護保険制度の改正で、業績が悪化した企業が少なくないのだ。例えば訪問介護サービス・生活支援の介護報酬は、原則1時間30分に相当する額で打ち切りになった。それ以上はサービスしても、報酬が得られなくなってしまったのである。

世界最速といわれるスピードで高齢化した日本。福祉や介護のビジネスは、将来の成長産業だといわれ、そして多くの民間事業者が参入した。だが、介護保険の介護報酬が低く抑えられているため、多くの企業が苦しんでいる。介護の現場で働くワーカーの賃金も決して高くない。仕事のハードさを考えると、その額は驚くほどなのだ。困っている人の役に立とうという高い志でこの世界に飛び込んだ人が、自分の生活を守るために、未練を残したまま、出て行くというケースも少なくないという。今やなんと、年間で4人に一人はこの世界を去ってしまうというのだ。

介護の話なんて、自分には関係ない、などと思ってはいけない。自分の親も、やがて高齢化し、介護を受ける日が来るかもしれない。そのとき、介護をしてくれる人が、もう日本にはいなくなってしまっていたとしたらどうだろうか。仕事を抱えた身で、親の介護が果たしてできるだろうか。厚生労働省は、今後10年間で介護職員を100万人から150万人に増やす必要があると試算している。そのくらい、実は逼迫している話なのである。

まず重要なことは、国の福祉政策について、しっかり目を光らせること。そしてもうひとつは、介護もビジネスになっているのだという認識を持つことだ。双方とも“他人事”で済ませていたら、本当に危機的状況がやってくる。

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