アジアも経済統合、進めなくていいの?

欧州の株式時価総額が超久々に米国を抜いた!!

2007.05.17 THU



図版:大黒秀一
この4月、欧州株式市場(ロシアや新興市場国を含む)に上場している株式の時価総額が米国株式市場の時価総額を抜いたというニュースが流れた。これは第1次世界大戦以降初めてのことというから歴史的な出来事だ。

どうして、今、欧州株は好調なのだろう? みずほ総研・経済調査部の草場洋方氏に話を聞いた。「EUが誕生し、ユーロが導入されたことで、欧州では貿易が活発になり、資金移動がスムーズになりました。経済の効率化、活性化が進んだんです。そのため、停滞していた欧州の経済成長率は高まりました」(草場氏)。さらにいえば、株価は経済の先を読んで動くもの。今後も欧州経済がもっと成長するという期待の高さが株価を押し上げているという。

2004年以降、東欧諸国がEUに組み込まれつつあるのも注目ポイント。これらの国はまだ賃金水準が低く、安くモノが作れる。今後の高成長が期待できるし、安く作られた製品がEU経済圏全体としての競争力を高めることにもなっているのだ。

こうした欧州の好調な経済を反映してユーロも高くなっており、これも株式時価総額をかさ上げする要因となっている。

さて、好調な欧州のことを聞くと、アジアも経済統合しなくていいの? と思えてくるが、それは簡単ではないようだ。

「欧州も域内に経済格差はありますがアジアはそれ以上。たとえば、日本と東南アジアでは物価水準も大きく違い、通貨統合も簡単にはできません。また、ずば抜けた工業国である日本に対し、他は農業国もたくさんあり、国によって産業構造が大きく異なるので、EUのように域内の関税を一気に撤廃することはできないでしょう」(同)

けれど「アジアの経済統合は日本の中長期的課題」と草場氏は言う。「これから人口が減っていく日本はアジアの力を借りて成長率を維持していく必要があるのです」(同)。欧州だって経済統合までには長い時間がかかった。アジアの経済統合は長い目で見る必要がありそうだ。


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