日本でも盗難事件が増加中

ここ5年で約6倍!?金属素材、高騰の理由

2007.05.24 THU



写真提供/時事通信
側溝のフタに電線、工事用鉄板にマンホール、郵便ポストや滑り台に鐘…。最近、連日のように耳にするのが、金属ドロボーのニュース。そんなもの盗んでも…と思うのだが、理由があった。例えば、鉄くず相場は今や01年夏の1トンあたり6200円から07年春には3万円台に、5倍の値段なのだ。

鉄くずなどの金属スクラップは回収処理業者がいて、裁断・圧縮して加工し、国内または海外の製鉄所などに売られている。金属ドロは、そうした業者に買い取ってもらうことを考えたのだろう。警視庁発表によれば、去年の金属窃盗による被害件数は全国で約5700件、被害総額は約20億円にのぼるという。こうした事態を受けて、経済産業省は業界団体に対し、盗難品を購入したり流通させたりしないよう、身元確認や搬入の経緯の確認などを求めている。

それにしても、どうしてこれほどみんな金属に注目するのか。実は金属スクラップだけでなく、金属原料そのものが世界的に急騰しているのだ。鉄鉱石やめっき用亜鉛は、とりわけ品不足。亜鉛の国際指標価格は5年前の6倍近い過去最高値を記録している。そしてこの背景にあるのが、BRICsだ。ブラジル、ロシア、インド、中国の勃興であり、建設ラッシュなのである。

特に中国は08年のオリンピックと、10年の万博も控え、社会インフラの整備が急ピッチで進んできた。新幹線、道路、マンション、ホテル、商業ビル、オフィスビル、さらに工場。大規模建設が中国全土で一気に進めば、金属需要が逼迫するのも当然。

だが今後は、不足するのは金属素材だけではなさそうなのだ。例えば食糧。BRICs4カ国約26億人が、一気に先進国の食習慣になればどうなるか。穀物相場の高騰はすでに始まっている。原油高は一段落したが、上げ基調は相変わらず。鉄鋼メーカーもそうだが、金属などの原料や穀物を扱う企業は、商社はじめ軒並み業績好調なのだ。ニュースの陰に実はBRICsあり。意識して見ておきたい。


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