米と韓が合意。今や世界的ブームなのに…

日本はわずか6カ国!FTAの進展は吉か凶か

2007.06.07 THU



写真提供/AFP=時事
世界が驚いた決断だった。4月、アメリカと韓国がFTAに合意したのだ。FTAとは、Free Trade Agreementの略。2国間あるいは多国間で、モノの関税や数量制限など貿易の障壁を撤廃、自由な貿易協定を結ぶもの。

米韓FTAでは、アメリカは自動車や繊維分野の関税を撤廃。韓国の自動車産業や繊維業界は大きなチャンスを手にしたが、コメを除く農産物の関税を段階的に撤廃。農業へのダメージは計り知れず、韓国国内で反発があったのは当然だった。締結直前には、7000人以上が反対集会を開いた。それでも韓国が締結に踏み切ったのは、国全体では、ダメージ以上にチャンスが大きいと判断したからだ。米韓FTAは、2国間では最大の経済規模の協定となった。

そもそも貿易交渉は、WTO(世界貿易機関)が加盟国全体で貿易ルール策定を目指している。だが、全体となると利害調整は複雑を極める。そこで出てきたのが、個別の国や地域とのFTAを優先させる動きだった。今や毎日のように、どこかの国のFTAに関する情報が報じられる。アジアでも、アジア各国との関係強化を図る中国など、FTAに積極的な国は多い。

さて日本はといえば、締結はまだ6カ国。米韓のようなインパクトもない。ではもし、スケールの大きなFTAが日本でも実現したら…。貿易拡大というと、会社の儲けが増えるイメージが浮かびがちだが、実は個人にも魅力は大きい。関税が撤廃されれば、海外のいい商品が、これまで以上に安く手に入れられるのだ。

一方でFTAでは、国際競争力の低い産業や農業などへの影響が懸念される。たしかに壊滅的なダメージを受ける可能性もある。しかし一方で、厳しい環境に置かれることで奮起し、むしろ競争力を増す産業も出てくるかもしれないのだ。例えば一部の農産物はむしろ、ニッチながら強力な輸出商品になりうる。日本の農産物のレベルの高さは、外国人の間ではよく知られるのだ。さて、日本の選択やいかに。


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