2007年問題は先送り?

今度は「2012年問題」が勃発した?

2007.06.21 THU



イラスト:マツモトカズトク
大変だ、大変だと大騒ぎとなった「2007年問題」。約680万人ともいわれる団塊の世代が定年退職の時期を迎え、一気に職場を去ると、コンピュータ分野をはじめ、技能継承などがうまく進まず、大変なことが起きるのではないか、と危惧された。ところが、である。2007年も半ばを過ぎようとしているが、特に問題が起きたという大きな声は聞こえてこないのだ。なぜなのか。

「2007年問題」に対応するために、国も着々と手を打っていた。そのひとつが、「改正高年齢者雇用安定法」。06年4月に施行されたこの法律は、「定年年齢を65歳に引き上げる」か「定年を廃止する」か、「定年退職者のうち希望者を嘱託等の身分で引き続き雇用する継続雇用制度を導入する」か、いずれかの対策を企業に求めた。折しも景気は上向き、業績も上昇、業界によっては人手不足の声も聞かれるようになった。こうなれば、無理に辞めてもらう必要もあるまい、と企業も考える。厚生労働省の調査では、実に85%の企業が65歳定年の実施や雇用延長などの仕組みを導入したという。要するに、多くの団塊の世代が退職せず、雇用延長になったのだ。こうして2007年問題は、「2012年問題」へと先送りされた、というのである。

だが、そもそも団塊世代の引退インパクトはそれほど大きなものだったのか、という疑念の声もある。内閣府の調査によれば、日本で60歳時点で仕事をする人は、年齢人口の62.5%しかいない。しかも、59歳と61歳のそれぞれ仕事をしている人の差は約14%。つまり、60歳前後で完全に引退する人は、もともと14%程度しかいないというのだ。しかも、06~07年にかけての定年退職者数増加は前年比+6.7万人、07~08年は+4.4万人の見通し。雇用者総数が5355万人であることを考えると、強烈なインパクトがあるとも思えない。もしかして、不安が勝手に一人歩きして拡大してしまったのか…。「20××問題」、扱いは慎重にした方がよさそうである。


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