マグロにカニ、ウナギも…

「値上げ続々」の背景にある世界的食糧危機

2007.07.05 THU



写真提供/時事通信
食品の値上げのニュースがひきもきらない。主な原因は4つ。ひとつはバイオエタノール。原料となるトウモロコシの急騰→家畜の餌が高騰→肉や乳製品が値上げ。あるいは大豆やオレンジなどの農家が、儲かるからとトウモロコシ畑に転作→大豆やオレンジが高騰といったケース。また、BRICsの影響も大きい。典型例はマグロ。中国の中産階級の増加→健康食への注目で寿司や刺身が人気に。さらに原油エネルギー高騰の影響も。海上輸送費のアップ→コストアップで製品の価格もアップ。そして密輸や乱獲問題。カニやウナギはこれ。節度を守ってほしいという世界から日本への意思表示だ。

しかし、値上げ問題は、実は最近に始まった話ではない。ちょっと調べてみると、もう何年も前から「また値上げ」のニュースが躍っていた。それもそのはず、そもそも世界の食糧は、かなり逼迫しているのだ。FAO(国連食糧農業機関)は、穀物在庫率の最低安全水準を17%~18%に置いているが、世界の穀物需給は消費量が生産量を上回り、戦後最低レベルの16.4%になった。これは、世界的な食糧危機といわれた1970年代の水準なのだ。

世界の人口は今、急増している。62億人の地球人口は、70年代からほぼ倍の数字。そして2050年には、今の1.5倍の89億人に達するといわれている。ところが、地球上の穀物の作付け面積は、ここ30年ほとんど変わっていない。取れる穀物量は増えていないのである。人口がさらに増える2030年には、中国だけでも6億人から10億人分の穀物が足りなくなるという予測もある。そしてここに環境問題が追い打ちをかける。砂漠化、温度上昇、豪雨、干ばつ…。値上がりは当然、なのだ。

世界規模の食糧在庫不足が、すぐに解消される見込みは少ないだろう。加えて日本の食糧自給率は世界最低レベルにある。値上げが困るのは事実だが、こうした世界の厳しい食糧事情も、知っておかなければならない事実なのである。


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