長期金利上昇が景気にダメージ?

どうして金利には、長期と短期があるの?

2007.07.19 THU



イラスト:マツモトカズトク
長期金利が急上昇して景気に悪影響を与えるのではないか、というニュースが流れた。預貯金金利のアップは歓迎だが、住宅ローン金利も企業の借入金の金利もアップしてしまう。これでは家計にも企業にもダメージ。おまけに、国債の金利がアップすれば、国の負担も大きくなってしまう。だが、そういえば金利には、短期金利というのもある。どうして長期と短期があるのだろうか?

お金を借りたいと考える人は、言うまでもないが短期の期間で借りたい人もいれば、長期の期間で借りたい人もいる。ごくごく端的にいえば、それぞれに対応して、前者に対応したのが短期金利であり、後者に長期金利ということになるわけだが、実はこの両者、金利の決定プロセスが異なるのだ。

短期金利というのは、中央銀行たる日本銀行が誘導している。例えば「無担保コールレート翌日物」。これは政策金利とも呼ばれる。つまり、金融政策をコントロールするために、日銀が誘導する金利が短期金利なのだ。一方の長期金利は、新しく発行される10年物国債が一般的な目安。つまり、景気や経済動向に応じて、市場が決める。長期金利は日銀のコントロール下にはないのである。そして金融機関は、短期の借り入れであれば短期金利を参照しながら金利を計算し、長期の借り入れであれば長期金利を参照しながら金利を計算するのだ。

だが、決定プロセスが違うからといって、短期金利と長期金利はまったく別々の動きをするわけではない。世の中の動きはもちろん、短期金利の変動も読み取りながら、長期金利は市場で決められていく。今、長期金利が上昇傾向なのは、短期金利の上昇観測が浮上しているから、でもあるのだ。

いっそのこと日銀が長期も短期も決めてしまえばいいのにと思えるが、この世の森羅万象すべてを長期にわたって読み取るのは生半可ではない。政策的なコントロール手段を残しつつ、長期の金利はあらゆる情報が集まる市場に委ねているというわけ。なかなかの仕組み、なのである。


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