21年前のプラザ合意時と同水準!?

世界で円の価値が下がっているのはなぜ?

2007.08.09 THU



図版作成:藤田俊男
「円の価値が、21年前のプラザ合意時よりも下回っている」。先月、日銀は「実質実効為替レート」をもとに、そんなデータを発表した。為替といえば、円安ドル高、円高ドル安とよくいわれるように、ドルとの関連で語られることが多かった。ドルに関していえば、為替レート上では21年前と比べても倍に近い円高である。しかし、世界的にみれば円安傾向にあるというのだ。それでは、実質実効為替レートとは何なのか? なぜ円の価値が下がっているのか? 経済アナリストの平野和之氏に話を聞いた。

「実質実効為替レートとは、ドルだけではなく、主要な複数の通貨間の為替レートをもとに算出した、円の対外競争力を示すひとつの指標です。他国や日本の物価指数なども考慮されています。ごく簡単にいえば、円の実質的な通貨の力。国力と言い換えても、それほど外れてはいないと思います。中国やインド、アジアの新興国の通貨やユーロが強くなってきているので、相対的に円の価値が下がってきたんですね」

それにしても、05年からの落ち込みは激しいですが、理由があるんでしょうか?

「ついこのあいだまで、円の金利は実質0%だったでしょう。ヘッジファンドが低金利の円で借金して、外貨に換えて運用する円キャリートレードを活発に行っていたんですよ。円を売って外貨を買うわけだから、円安が進みます。最大の要因はそれでしょう。それに、他国に比べてデフレで、物価上昇率が低かったのも一因ですね」

円の価値が下がるというと寂しい感じもしますが、逆に円安だと輸出製品の競争力は高まるというメリットもありますよね。

「それで批判もされているんです。とはいえ、まだ日本は成長率も低く、円の対外競争力が指標として評価されていないのは事実ですから、いい傾向ではないですよね」

景気が上向きとはいえ、安心できないのが日本経済の現状。追い上げてくるライバルとどう競い合っていくのか。これから日本の真価が問われるのだろう。


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