不足しているのは食料だけじゃない…

世界的水不足が生み出す「水ビジネス」の広がり

2007.10.25 THU



写真提供/AFP=時事
今、世界的に深刻化している水不足。「地球温暖化による河川の断流・水位低下」「人口増加や急激な経済発展で農工業用水の需要が増加」などを原因として、2025年には世界の全人口の3分の2が水不足の危機に直面するといわれている。そうした背景から、今、水に関連するビジネスが活発になっているらしい。ということで、水ビジネスの動向を追ってみた。

特に水不足が懸念されている中東やアフリカ、中国などでは海水を処理して飲用水を作り出すためのプラントを建設し、淡水化された水は生活用水として広く使われている。この海水の淡水化に用いる『ろ過膜(海水淡水化用逆浸透膜)』の高性能化で世界から注目を集める日東電工は、アルジェリアの海水淡水化プラント建設向けに20億円超の物件を受注。現在、同社は『ろ過膜』の世界シェアで第2位(約30%)を誇り、さらにスペインやメキシコでも受注している。同社に今後の注目分野について聞くと、「国内では工業排水をろ過して再利用するなどの、排水の再利用分野に注目しています」(日東電工/広報・IR・ブランド戦略部)という答えが返ってきた。

水ビジネス市場を広く見渡すと、日本企業が高い水処理技術を生かし、海外の再生水処理工場や上下水道の建設で工事監理などの業務のみを請け負いつつ、新たな事業機会の獲得を目指す事例も多いようだ。

「現在の逆浸透膜市場は『淡水化』用途が年17%、『排水の再利用』用途が年26%の伸びとともに右肩上がりで、水の需要増加に供給が追いつかない状態なのです」(同)

このほか、ボトルウオーターの分野でも、欧米に代わり、水不足に悩む中国やインド、東南アジア諸国がターゲット市場になっており、市場規模の拡大が期待できる。これらの国は上下水道が十分に整備されておらず、水道水が飲用水に適していないからだ。

世界的な需要拡大を背景にした水ビジネス市場は投資家も注目しており、今後さらなる成長が見込まれている。


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