ついに運賃が値上げ!

タクシー業界を守る「総括原価方式」とは?

2007.12.06 THU



写真提供/時事通信
東京のタクシー運賃がとうとう値上げされた。初乗りは660円から710円となり、これまで274m/80円だった加算料金も288m/90円にアップ。午後11時から午前5時までの深夜割り増しは3割から2割へと少し安くなるが、時間が午後10時からと1時間繰り上げられる。なんでも原油価格の高騰と運転手さんの待遇改善が値上げの理由らしいが、年末年始の飲み会が目白押しのこの時期に、イヤ~な感じの値上げだ。

ところで、タクシー運賃は国が決めているのを知っているだろうか。タクシー運賃は電車やバスと同じ公共料金のひとつで、国土交通省の認可が必要。そこで行政が、人件費や燃料費などのコストを運賃収入でまかない、なおかつ会社も儲けられるように運賃を算出。それが「総括原価方式」と呼ばれる独特の制度なのだが、じつはこれには批判も少なくない。なにしろコストがかさみすぎてしまったら利益がでるように値上げすればいいし、値上げで客が減れば歩合を減らして運転手にツケをまわすこともできる。どう転んでもタクシー会社は損をしない、リスクのない仕組みだからだ。

そのうえタクシーをめぐってはもうひとつ問題があって、それは5年まえの規制緩和。もともとタクシーの総台数というのは地区ごとに決められ、新規参入が制限されていた。しかし競争を促して料金やサービスで利用者に還元するため、2002年に台数規制を撤廃。その結果、タクシーの台数が急増した経緯があった。でも、そうやって市場にまかせた以上、経営が苦しいからと運賃を値上げするというのはおかしな話。本来なら、まず台数を減らすのが筋のはずで、行政側もタクシー会社を守るまえに利用者に目を向けるべきなのである。

そもそも、タクシーの台数が増え続けるなかでの運賃値上げは運転手さんにも首をかしげる人が多かった。今回の値上げによって、値上げ→利用者が減る→さらに稼働率が下がる、という“負のスパイラル”に陥らなければいいのだが――。


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