ドル崩壊とかいわれてますが

そもそも米ドルが世界の「基軸通貨」なのはなぜ?

2007.12.20 THU



写真提供/AFLO
サブプライムローン問題以降、米ドルの価値が下がっていろんな国に影響がでている。たとえば中東の湾岸産油国では最近のドル安でインフレがひどくなり、イランのアフマディネジャド大統領は「ドル紙幣は価値のない紙くず」と批判。これは極端な意見だとしても、いろんな国から「ドル」の地位を疑問視する声がでているのはほんとうなのだ。

でもなぜ米ドルがほかの国に影響を与えるのか。その理由は米ドルが世界の「基軸通貨」だから。この基軸通貨とは、国際間の貿易や金融取引などに広く使われ、各国中央銀行の外貨準備預金の積み立てに利用される通貨のことをさす。そのため、おもな国の通貨は米ドルに連動していて、たとえば、米ドルが上がると日本円やユーロや英ポンドなどは下がり、米ドルが下がると日本円やユーロや英ポンドは上がる。文字どおり、世界経済の基準・中心となっているのが米ドルという基軸通貨なのである。

もっとも、米ドルも最初から基軸通貨だったわけじゃない。もともと国際金融の中心にいたのは英国で、英ポンドが基軸通貨だったのだが、第1次世界大戦後のインフレや大恐慌で欧州経済が疲弊。一方、戦争をきっかけに大きな経済力を持ったのが米国で、とくに第2次世界大戦後、世界の復興需要を補える生産力を持っていたのは米国だけだった。そこで戦後、米国が各国に米ドルの金兌換を約束。金と紙幣をあるレートで交換する金兌換制度があった当時、ドルを持っていればつねに一定額の金との交換が保証されたため、共通の決済通貨として利用しやすくなり、いろんな国がドルを持つようになったのだ。それが米ドルが基軸通貨となった大きな要因というわけだ。

とはいえ、その後「ニクソンショック」によって金兌換制度は停止し、通貨制度は変動相場制に突入。最近では将来的にユーロが基軸通貨になるといわれたりと、米ドルの地位はけっして安泰ではない。ちなみに、アジア圏では人民元が基軸通貨になるかもしれないという見方もある。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト