家具とムーミンだけじゃない

消費税25%で成長を続ける「北欧モデル」って何?

2008.01.10 THU

あなたは北欧というと何をイメージするだろうか。家具、デザイン、ノキアのケータイ、それともムーミン? なかには「福祉国家」を連想する人もいるかもしれない。じつは今、北欧モデルが世界的に見直されている。格差社会をいとわない、米国流の市場原理主義が席巻するなかで、北欧が経済成長と平等を同時に実現させているからだ。

北欧諸国(スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ノルウェー)は、高福祉・高負担の国として知られる。スウェーデンでは育児休暇が480日取れ、うち390日は国が給与の8割を補償する。男性も取得可能な「両親休暇」だ。保育園の自己負担は月2万1000円が上限。医療費は20歳まで、学校も大学まで無料だ。大学では逆に国から月4万6000円の支援金がもらえる。高齢者介護は今でも公営が基本で、市町村には介護が必要な人に対して適切なサービスを提供する義務がある。

その代わり、給与所得の半分近くを税金で持っていかれる場合も。消費税は25%(食品は12%)。それでも経済成長を続けるから不思議だ。北欧諸国は93年から06年までの間、1人あたりGDPを1.8~2.6倍も伸ばした。一方、93年に世界のトップに君臨していた日本は、同期間で逆に1.7%減(ドル換算ベース)。北欧は過激な政策の宝庫でもある。たとえば、ノルウェーの民間企業は役員の4割以上に女性を登用しなければならない。「小国」ゆえ、機動的に政策が打てる。いま日本で俎上に上る年金改革や首都機能移転も、北欧ではとうの昔に実行済み。学力問題ではフィンランド式教育が話題となっている。

北欧で最も国土が大きいスウェーデンでも、人口は東京の半分に満たない。フィンランドの人口は福岡県とほぼ同じ。日本で全国画一の政策が手詰まりとなる中、今後は地域ごとの再生プランが不可欠だ。道州制導入に際しても、北欧の知恵は日本にとって大いに参考になる。


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