UAEは切り上げ検討のニュース

ドルに固定連動されている通貨は今、どうなってる?

2008.02.14 THU



写真提供/時事通信
年末、経済成長著しいドバイを有するアラブ首長国連邦(UAE)が、通貨ディルハムを「切り上げ」ることを検討、という報道があった。実は中東諸国は、ドルに連動した通貨の固定相場制、いわゆるドルペッグ制を採用している国が多い。日本では毎日のように、円高だ、円安だ、と騒がれているが、それは為替変動をマーケットに委ねている変動相場制ゆえ。固定相場制であれば、文字通り固定されているために、そんな騒ぎはない。しかし、永遠にそのままでいいのかというと、そうではない。例えば、この「切り上げ」のニュースは典型例だ。

そもそもどうして中東諸国は、ドルペッグ制を採用しているのか。貿易においては、円高・円安で輸出産業の動向に注目が集まるように、通貨の価値が高い国は輸出競争力が落ち、低い国は輸出競争力が高くなる。だが、貿易で結びつきの深い国の通貨に連動(ペッグ)させておけば、為替相場の変動に振り回されることなく輸出の競争力を安定させておくことができる。

だが、デメリットもある。ドルの価値の上げ下げに自国通貨も影響を受けるのだ。ドル安になれば自国通貨も下がる。輸出にはいいが、通貨の価値が下がれば輸入品が値上がりする。これが、国内の物価上昇をもたらす。インフレを呼んでしまうのだ。さらに金融政策もドルに合わせなければならない。アメリカが利上げすれば、自国の景気動向に関係なく利上げが必要になる。

ドルの価値下落は自国通貨の価値も落とす。そこで為替レート自体を「切り上げ」、自国通貨の価値を底上げしようということになる。実際、ドル安傾向は長期にわたっている。しびれを切らし、クウェートなどはドルペッグを去年5月にやめてしまった。

今やサブプライム問題でアメリカの金融政策は大混乱。ドルペッグの国も揺れている。ドル信任の意味でも、アメリカは踏ん張らないといけない。「切り上げ」「ドルペッグ打ち切り」…。さて、そんなニュースが今年は聞こえてくるか。


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