日立がコンシューマー市場から撤退

パソコンが売れなくなっている!?個人向けPC市場低迷の理由とは?

2007.11.26 MON


日立の個人向けパソコン「プリウス」。今年の夏までに豊川工場(愛知県)での開発・生産を停止している。現在発売中のモデルで29年のパソコン事業に幕を閉じる
日立がコンシューマー向けパソコン(家庭用パソコン)からの撤退を表明した。2005年にはIBMのパソコン部門が中国のレノボグループへ売却されているけれど、撤退理由は日立もIBMも「経営資源を重点分野に振り分けるため」とのこと。ん、それじゃ個人向けパソコンはもはやビジネス的には重点分野ではないということなのか?

そもそも、PC市場には個人向けと企業向けが存在する。調査会社のIDCジャパンが2007年3月19日に発表したリリースによると、企業向けPC市場は2003年~2005年まではプラス成長。2006年は前年比0.1%減と楽観視できる状態ではないが、家庭用PC市場に比べると落ち込みは少ない。

一方、家庭用パソコン市場は飽和状態といわれている。過去5年間の出荷台数を見ると、2001年をピークに徐々に減少。2006年は前年比5.9%減の533万台まで落ち込んでいる。2006年の国内PC市場ベンダー別出荷台数は1位NEC、2位富士通、3位デル、4位東芝、5位日本HP。デルに至っては前年比12.8%の伸び率だとか。

えー、ソニーは? パナソニックは? と思うかも知れないが、これは企業向けが好調なベンダーが上位にきているからで、家庭向けパソコンは各社苦戦しているのがここからも見て取れる。

なぜ家庭用パソコンは売れないのだろうか? その理由をIT専門調査会社の「IDCジャパン」PCsリサーチグループマネージャー片山雅弘氏に聞いてみた。

「世界規模で見るとコンシューマー向けは売れています。アメリカやヨーロッパでは、デスクトップ型で800ドルを下回る価格が主流になっており、一家に一台から一人に一台にシフトしています。しかし日本は、価格が安すぎると『安かろう悪かろう』と敬遠される傾向があり、1000ドル強の価格でも成立する閉鎖的な市場なんです。だから、一家一台が行き渡ったあとに、なかなか2台目まで手が伸びない。くわえて、携帯電話が安く高性能なこともありパソコンの代替品となっているんですね」

今後、日本の家庭用PC市場が生き残るには方向転換が必要だという。

「たとえば、シャープさんなら売れ筋の液晶テレビ“AQUOS”とコラボしたインターネットAQUOSのようなパソコンはその第一歩。このようなリビングPCの考え方を進めて、リビング以外の家電製品や携帯電話とパソコンの連携を高めることが転機になるのではないでしょうか」(同)

日本の家庭用パソコンは、買い換えサイクルの長期化や海外メーカーの低価格攻勢などで利益率は低くなっている。この状況を打開するには台数を売るしかないのだが、現状ではなかなか難しいようだ。しかし、富士通やソニーからもインターネットAQUOSのようなネットワーク家電としてのパソコンが発表されている。

パソコンから家電に――。このあたりに家庭用PC市場復活の鍵があるのかもしれない。

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