老舗『シスコレコード』もオンラインストア化

宇田川町のレコ屋が移転・縮小へレコード業界の生き残り策は?

2008.01.11 FRI


レコード業界縮小の背景には、不法コピーの蔓延や安価で音楽を落とせるサイトの一般化などもあり、音楽にきちんと対価を払う人が少なくなっているという問題もあるようだ 提供/シスコレコード
1990年代半ばから2000年ごろにかけてのDJブーム。当時、250店舗ものレコード屋があったといわれ、ギネスブックにも掲載された“世界一のレコ屋街”渋谷区・宇田川町に激震が走りました! というのも、1970年代から続く老舗『シスコレコード』が昨年12月10日、実店舗の営業を終了し、オンラインストアへの移行を発表したのです。いったいどうして? 閉店の理由を教えて、シスコさん!

「現在、ネット販売を利用される方が増えている反面、店舗に足を運んでくださる方は減少傾向にありました。リアル店舗のあり方を模索していましたが、ネット販売とのバランスをとるのが難しく。宇田川にこだわりたい気持ちはありましたが…」(シスコ本社常務取締役・和田 仁さん)

そもそも、レコード店の閉店はシスコレコードだけではありません。ここ数カ月で『マンハッタンレコード』をはじめ、宇田川町を代表する大手店舗を含むレコ屋の移転・縮小が進行中なんだとか。昔からのレコード好きやDJは、レコ屋をはしごしてはレコードをdigる(ディグる。dig=英語の“掘る”から派生。主に旧譜/中古盤の中から、レコードを掘り出すこと)カルチャーがあったわけですが…。

宇田川町のレコード店を取り巻く現状を、DJ/クラブカルチャー専門誌『GROOVE』の編集長、國崎晋さんに伺ってみました。

「まず音楽市場自体の縮小があります。また、DJプレイ機材やソフトの進化により“アナログでなければダメ”という認識が薄くなった部分も。国内外の有名DJでも運搬の手間や経費面からCDや音声ファイルなどのデータでDJをする人が増えています。さらに、アナログを買う人でもネットの“いつでもどこでも”買える利便性に勝てず、店舗に足を運ばなくなっている状況です」

ということは、このままレコード屋はどんどんなくなっていくのでしょうか…。

「もしシスコがもう一度リアル店舗を出すとしたら、データ化との共存の道を探していくことになると思います。例えば、音源データを店頭で紹介する一方で、店舗を著名DJとの交流の場にしていくなど、“ストアの新しい価値”の確立が必要になってくるでしょう」(和田さん)

コアなレコードファンにとって、レコード袋さげてストアをはしごするウキウキ感も含めての“digカルチャー”の場所が少しずつなくなっていくのは寂しい限り。PCで曲を“検索”するのもいいけど、店をはしごするからこそ出合える「運命の一枚」もあるのだから…。たまには、宇田川町で“dig”ってみる?

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