最近はストライキも行われませんが

日本の春の風物詩「春闘」って一体どんなことをしてるの?

2008.02.28 THU



写真提供/時事通信
春が近づくとニュースでよく聞く「春闘」という言葉。何となく労働組合あたりがなんかやってるっぽいけど、実際に何がどこで行われているのかよくわからない。というわけでそんな疑問を解消すべく、独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査部主任調査員・荻野登さんに話を聞いてみた。

「毎年2~4月に労働組合が、賃上げや労働条件の改善などを求めて行う交渉が春闘です。終戦後、日本では個々の企業別に組織された労働組合が賃上げを要求してきましたが、なかなか成果が挙がらない。そうなるとストライキという手段をとるしかない。企業側にしたら、ストライキ中は会社の機能が止まって収入はゼロ。倒産する恐れさえあり、競合企業だけが儲かる。お互いに安定した交渉が行えるように企業と組合が歩み寄った結果、企業別ではなく産業別に団結して、春に集中して交渉する方式が生み出されました。さらにその後、業種の枠も超えて、春季に労働者サイドが一斉に統一要求するようになったわけです」

なるほど。では春闘の具体的な成果は?

「高度経済成長期には企業の収益が伸び続けて物価も上昇。当時は、春闘によって賃金は順調にアップ。さらにオイルショックを契機に物価は急上昇、春闘の賃金要求も急上昇と思いきや、オイルショック後の賃上げ要求は、前年度の半分以下と非常に自制的。インフレが加速し続ければ社会そのものが成り立たなくなる可能性もあり、春闘で組合はインフレを鎮静化させる役割も担ったわけです。最近は不況の影響でデフレ傾向のため、大幅な賃金アップというわけにはいかず、正社員と契約社員、パートの賃金の格差是正などの新しいテーマも取り上げられるようになっています」

まだまだ春闘が労働者の待遇改善にとって重要な役割を担っているのは事実。一般的な印象は薄くなってしまったかもしれないけれど、他人事とニュースを聞き流すのではなく、今後は自分の話として春闘を考えてみては?


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