米がくしゃみをするとニッポンは風邪を引く!

なぜアメリカ経済は世界の主役であり続けたの?

2008.03.13 THU



図版作成/小澤 怜
アメリカがくしゃみをすればニッポンは風邪を引くと報道ではよく言われる。アメリカ相手の巨額の貿易黒字は日本経済の生命線だ。また、日本経済の復調を支えた中国経済も、巨額の対米黒字が成長には欠かせない。でも、なぜアメリカはいくらでも貿易赤字を垂れ流すことができるのだろうか。

ドルは貿易の決済に使われる「基軸通貨」だ。日本企業の輸出の決済もドルで行われている。だから、どれだけ貿易赤字になっても、ドルを受け取る相手がいる間は痛くもかゆくもない。ニクソン大統領の時代、印刷する裏付けに金を用意する「金本位制」を放棄して以来、カネが足りなくなればいくらでも印刷すればよいのだ。

さらに、アメリカ人はとにかく金遣いが荒い。経営コンサルタントの小宮一慶氏によると「自宅の値段が上がったら、それとともに上がった担保価値を使ってさらに借金をしてクルマを買い、旅行に出かける」のだとか。

ドル安で減ったとはいえ、世界のGDPの25%弱を占めるアメリカ経済。個人消費はその7割だから、アメリカの個人消費は世界経済の2割近い規模。各国にとり、アメリカ経済は無限に買い物をしてくれる「お客様」なのである。そして、日本経済もまた、アメリカの個人消費のおかげで生きていけるのだ。

しかし、2006年の貿易赤字は8567億ドル、円にして約90兆円だ。さすがにいつまでこんなことを続けられるのかを疑問視する声が出ている。

「サブプライム問題をきっかけに中産階級の個人消費は一気に冷え込み始めています。各国の貿易黒字を吸い込むアメリカ経済ですが、7割は個人消費です。日本経済へのダメージは大きいですよ」(同)

一方で、急速に力をつけつつあるEUの通貨・ユーロがドルの存在を脅かしている。主役の座を追われる日は当分来ないだろうが、アメリカ頼みの日本経済にとっては厳しい局面が続きそうだ。


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