なんと65%値上げ

「鉄鉱石」価格の急騰は僕らに影響するの?

2008.03.27 THU



写真提供/AFP=時事
あまりの値上げ幅に驚いた人も多かっただろう。鉄鋼大手各社は鉄鋼原料として仕入れる2008年度の鉄鉱石について、資源メジャーの一角ブラジルのバーレと前年比65%の値上げで合意した。05年度の71.5%という驚異的な値上げ幅には及ばなかったものの、値上げは実に6年連続。価格はなんと5倍になっているという。

それにしても、普通では考えられないような上げ幅。中国をはじめBRICsの経済成長で建設等の鉄鋼需要が伸びているのは想像できるが、なぜこれほどまでに? 

鉄鉱石は世界中で産出されるが、問題は輸出できるほどの品質があるかどうか。産出量ではブラジル、オーストラリア、中国、インド、ロシアで大部分を占め、輸出量はオーストラリアとブラジルでこれまた大部分。もっといえば、資源メジャーと呼ばれるブラジルのバーレ、オーストラリア・イギリスのBHPビリトン、リオ・ティントの3社の輸出シェアが、何と7割にもなる。要するに、他に輸入元がない以上、他国からすれば値段をつり上げられてもここから買うしかない、という状況なのである。

今回の値上げは、鉄鋼業界全体で年間約5000億円のコスト増につながるという。となれば、鋼材価格の値上げは避けられないとみられている。消費者に影響する可能性が高いということだ。価格転嫁がイメージしやすいのは、自動車などの輸送機械だが、「産業のコメ」とも呼ばれる鉄鋼産業の裾野は実に広い。例えば、食べ物には関係がないだろうと思いきや、食品メーカーの工場設備にも鉄は欠かせない。また例えば、ステンレスは鉄からできるから、缶やキッチン用品、はたまた文房具まで影響を受けるのだ。ほとんどすべてのモノに関係しかねないと言っても過言ではないかも。

今回のニュースは、資源の寡占が起こると、どういうことになるのかを教えてくれている。恐ろしいのは、これが穀物や食糧で起きたらどうなるか、である。鉄鉱石値上げ、本当に他人事ではない。

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