60年の歴史もついに幕…!?

ポラロイドフィルム生産中止の意外な余波とは?

2008.03.27 THU

カシャッ。ジー。「空いてる部分に二人へのメッセージを書いてね~」。こうした結婚式の二次会の風景でおなじみのポラロイドだが、日本ポラロイド社は2月、08年の夏までにインスタントフィルムの生産を終了すると発表した。ポラロイドカメラ本体の生産は、すでに07年の4月に終了。原因は、デジタルカメラの普及による需要の減少だ。

でも、ポラの使い道なんて、趣味か結婚式の二次会ぐらいでしょ? などというなかれ。日本ポラロイド社広報部によると、ポラロイドフィルムの需要はビジネスユーザーが大部分を占めるというのだ! 

その現場は、画像の改ざんが許されない医療や科学、考古学、警察の捜査証拠品撮影など多岐にわたる。なかでも、一番多く使われているのが医療の現場。そこで、眼科医療機器を製造するトプコンのアイケア国内営業部・金枝雅之さんに聞いてみた。

「ポラロイドフィルムは、目の奥の網膜等を撮影する眼底カメラで使用されています。精密な検査を行う眼科では、眼底画像のデジタル保存が普及していますが、健康診断などではポラロイドフィルムを使う眼底カメラがいまでも主流。眼科検査の必要性を確認する検診なので、すぐに見られるポラロイドが重宝されていたんです。ポラロイドフィルムの急な生産中止に、検診施設は困るでしょうね。急いで機械の買い替えをしなくてはいけないでしょうから」

ちなみに、「すぐに見られる」という特性ゆえに、医療の現場では胎内の赤ちゃんを撮影するエコーや内視鏡カメラなどでもポラロイドフィルムが使用されていた。

ポラロイドカメラは、創始者のランド博士が「なぜ写真はすぐ見られないの?」という娘の問いに応えた、画期的な発明だった。アメリカでは、ポラロイド社がインスタントフィルムのライセンスパートナーを探しているという報道もある。一時代を築いたポラロイド社のインスタントフィルムは今年、60年の歴史に幕を下ろすことになるのだろうか。


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