かつてはハラキリレートも

世界の金融機関が注目する「サムライ債」とは?

2008.06.05 THU



イラスト/牧野良幸
07年度のサムライ債の発行額が2兆6200億円と、前年度から3倍以上も増加したというニュースが少し前に流れました。サムライ債?それはいったいなんでござる?

「日本国外の発行体、例えば外国の政府や企業などが、日本国内で発行する、元本・利払いともに『円建ての債券』のことです」とは経済評論家の佐藤治彦殿。なるほど。でも日本円でお金を集めても、外国では使いづらそう。円で資金を集めるメリットとは?

「世界的な低金利の中でも、特に日本円が低金利であり続けている点ですね。借りる側は、とにかく安い金利でお金を借りたいわけですから。また、世界的なドル安で、相対的に円の為替レートが高止まりで安定しているのも要因だと思います」

円は安く調達できる上に、為替リスクも少ないと。ちなみに世間を騒がせている米国のサブプライムローン問題と、サムライ債の発行増は関係しているんでしょうか?

「確かにサブプライム問題で、世界的に投資の仕方が少し影響を受けています。つまり『素性のわからないものに投資すると後で火傷するぞ』と。例えば投資信託も、投資の先の先に何があるのかわからない不安がある。その点、サムライ債は投資先が外国の政府や有名企業なので比較的安心なんですよ」

それにしても日本円だからサムライ債って安易なネーミングですよね。

「かつての日本に対するイメージでしょう。だからといって債券自体に『サムライ債』って書いてるわけじゃありませんよ(笑)。サムライ債は1980年代にものすごく増えたんですが、外国人のイメージでサムライといえばハラキリ。当時、日本の金融機関が海外でシェアをとるために出血覚悟のレートを出していたんですが、それを『ハラキリレート』だなんて揶揄されてました」

なお、外国の発行体が日本国内で出す「外貨建て」の債券を「ショーグン債」と呼ぶそうですが、今「将軍」といえば日本よりあの国っぽいかもしれません。


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