1バレル=140ドルを突破!?

上がり続ける原油価格世界経済はどうなるの?

2008.06.30 MON

原油価格の高騰が止まらない。6月頭のニューヨーク原油先物市場では、1バレル=140ドルに接近。今年初めに100ドルを突破して以来、史上最高額を更新し続けている。昨年1月時点の価格(1バレル=50ドル台)と比べると、1年半で2倍以上という急激な上昇ぶりだ。その原因とは一体何だろうか?

「中国やインドなど新興国の需要の伸び、産油国の開発投資の抑制が懸念されていることが背景にあります。従来に比べて石油の希少性が高まっているんです」

三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部の主任研究員、芥田知至氏はこう語る。一方、需要増や供給不安は、価格上昇の主な原因ではない、と指摘するのがエコノミストの石井 彰氏だ。

「投機資金の原油先物市場への流入が最大の原因です。そして、その背景にあるのが先進国全体のカネ余り現象。特に欧米の年金資金が、原油先物市場に入ってきている。サブプライムローン問題以降、それが加速しています。株式市場が暴落し、運用先に困った資金が原油先物市場につぎ込まれているからです」

今の原油価格は、実体価格から離れたバブル的な値上がりだという。ただし、バブルはいずれ弾けるもの。近いうちに原油価格も暴落するのでは? しかし、経済評論家の保田隆明氏は「原油価格のバブルが弾けることは当面ない」と言う。

「実体価格は50~60ドルが適正水準。現在の状況がバブルであることは間違いないですが、今のところお金が他に向かう場所がない。暴落するようなことはないと思います。一時的に1バレル=150ドルを超える可能性もあるでしょうね」

一方、需要減による原油価格下落のシナリオも予測されている。

「夏場までは原油高が続きやすい局面だと思います。しかし、北京オリンピックが終わると中国の石油在庫の必要性も減り、世界的に需要は減少する見通しです。年末に向けては1バレル=100ドルあたりまで価格が下がっていくでしょう」(芥田氏)

原油価格上昇が、世界経済に与える影響も気になるところだ。

「OPECなどの産油国や石油メジャーと呼ばれる企業は大きく儲かっています。日本では資源がビジネスの大半を占める大手商社が最高益を記録中です」(保田氏)

しかし、大半の企業はコスト増により大きな打撃を受けるという。最大の石油消費国アメリカの景気の悪化、中国経済への悪影響拡大も想定される。また1バレル=150ドルとなれば、ガソリン価格も2割程度上昇し、僕たちの暮らしを直撃する。

「コスト低減の必要性が増すことによって、日本企業が持つ省エネ技術に注目が高まる可能性はあります」(芥田氏)との期待の声もあるが、原油高には世界経済全体の低迷を引き起こす危険性もはらんでいる。今年後半にかけて、原油価格の動きから目の離せない日が続きそうだ。


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