CO2を間接的に減らす仕組み

カーボンオフセットが消費にもたらす影響とは?

2008.06.30 MON

最近、カーボンオフセットと名のついた商品が増えている。年賀はがきやCD(by 坂本龍一)、旅行ツアー、さらに銀行通帳、クルマまで。ビジネス界では今、カーボンオフセットは注目のキーワードとなっているようだ。

カーボンオフセットとは、その商品の製造や輸送中にかかったCO2の排出コストを算出し、クリーンエネルギー事業や植林プロジェクトに投資することで相殺するというもの。環境問題が重要な議題となる7月の北海道洞爺湖サミットを間近に控えていることも、カーボンオフセットが注目を集めている一因と見られている。

「商品を使用する際や製造過程や配送過程で多くの二酸化炭素を排出する商品を購入することに、ためらいを覚える消費者が増えつつあるんです。といって、自ら植林に行くわけでもない。カーボンオフセットは、そういう人がオフセット商品の購入という手軽な行動によって、温暖化防止に寄与できるサービスといえるでしょう」

そう語るのは、カーボンオフセットサービス事業に今年から乗り出している環境コンサルティング企業リサイクルワンの木南陽介社長。同時に、カーボンオフセットは企業側にとっても魅力的な仕組みであり、「環境活動のツールやプロモーションとして非常に有効といえます」(同)。

しかしその一方で、日本における排出権取引およびカーボンオフセットは、欧米に大きく後れを取っているようだ。

「現在、日本における民間のカーボンオフセット市場はまだ小さく、08年で5億円と予測されています。ただし、09年に18億円、10年には75億円前後になると弊社では予測しています」(同)

すでにEUでは、取引条件などの法整備も進み、その市場は100億円規模にまで成長している。この違いはどこにあるのか。

「キリスト教社会のヨーロッパでは、寄付の文化が根づいています。だからカーボンオフセットも定着したのだと思います。ただ、日本でも環境活動に対する費用負担を受け入れ、企業が環境活動に取り組んでいるかどうかを購買時に考慮する人たちが増えてきています。そういったことを考えると、カーボンオフセットが広がっていく可能性は大いにあるでしょう」(排出権取引に詳しい、三菱総合研究所の橋本 賢さん)

ようやく日本でも、今年2月に環境省が「カーボンオフセットのあり方に関する指針」を発表し、本格的な取引ルール作りへ向け審議を開始した。EUのような法整備への道筋も、ゆっくりとではあるものの整いつつあるようだ。

橋本さんによれば、今後はコンビニで手軽にカーボンオフセット商品を購入できるようになるなど、より消費者が参加しやすいサービスが広がりそうだとか。また、新種のカーボンオフセット商品も、今年後半にかけて続々と登場すると見られている。どうやら「消費者の購買行動の指標に、CO2の排出量が入ってきつつある」(木南氏)時代が到来しているといえそうだ。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト