今までは「GDP」だったけど…

経済指標の主役が交代!?「GDI」が注目されるワケ

2008.07.24 THU



写真提供/時事通信社
日本銀行の企業短期経済観測調査、いわゆる日銀短観は3期連続で悪化を宣言。景気はいよいよ厳しい情勢になってきた。ところが、なんとも不思議なデータが出ていたことに気づいていた人も多いかもしれない。2008年1月―3月期の実質国内総生産、いわゆるGDPは、前期比年率4.0%増という非常に高い伸びになっていたのだ。07年10月―12月期の同2.9%増に続き、2四半期連続の高成長だった。

GDP成長率は、国の経済成長の指標のひとつとして使われてきた。「高成長」になっているわけだから、さぞや景気もよいはず、なのだが、実感は違う。07年度下期以降、景気は減速が伝えられている。つまりGDPは高成長なのに、景気は悪化していた、という逆転現象が起きていたのである。

どうしてこんなことがを理解するカギとして、最近見かけ始めたのが、GDI(国民総所得)なる指標だ。GDPは一定期間内に国内で生み出された付加価値の総額。だが、これは生産や支出を合計したもの。英語でいえば、Gross Domestic Product。これに対して、GDIはGross Domestic Income。収入はどうだったのか、である。この数字が、08年1月―3月期で前年比年率1.7%増と、GDPに比べかなり低い伸びになっており、ちょうど今の景況感にマッチしているとささやかれているのだ。

GDIの算出は、GDPに「交易利得」なるものをプラスすることで表される。交易利得とは、輸出入額の変化によって生じる国内と海外の所得の流出入のこと。実はこれが大幅なマイナス(損失)になっているのだ。端的に言えば、原油や穀物の高騰で、輸入の際に日本の巨額のカネが海外に出て行ってしまい、これが「交易損失」を大きくしているのである。つまりGDIとは、昨今景気に大きなダメージを与えている原油や穀物の高騰を考慮した経済情勢が把握できるもの、というわけなのだ。資源高はしばらく終わりそうにない。今後、注目しておきたい指標だ。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト