自前で人工衛星を打ち上げる?

世界の穀物市場を支配する穀物メジャー『カーギル』の謎

2008.07.24 THU



写真提供/アフロ
現在の原油高と並んで世界的な問題となっているのが穀物高だ。だが、その一方で莫大な収益を得ている業界がある。世界の穀物市場に影響力を持つ専門商社・穀物メジャーだ。なかでもダントツの規模で知られるのが、アメリカの『カーギル』。アメリカでは口に入るもののほとんどに同社が関わっており、日本の食にもその影響は大きい。カーギルとは、一体どんな会社なのか?一橋総合研究所食糧部会部会長、茅野信行氏に取材してみた。

「世界最大の穀物生産国がアメリカ。そのアメリカの農家から穀物を買い付け、穀物を必要としている世界中の国々に届けているのが穀物メジャーの雄・カーギルです。穀物商社は規模が大きいほど流通の合理化ができる業種。カーギルは1865年創業という古い会社ですから、長い年月にわたって、合理化を徹底的に推し進めた結果、今日では、世界の穀物シェアの4割を握るほどの巨大な企業です」

カーギルは66カ国に15万人以上の従業員を持ち、年間売上高は9兆円にも上る。アメリカでは政治的影響力も強く、カーギル出身者が歴代政権の高官を務めていた。また、カーギルは自前で人工衛星を打ち上げ、穀物生産地の情報収集をしていることでも知られている。にもかかわらず、いまだ株式非公開の家族経営を行っており、実態はあまり公開されていない。そのためか、最近の穀物価格高騰はカーギルの思惑も絡んでいるのではないかといった噂もあるが。

「穀物は世界中で取引が行われていますから価格操作は不可能。カーギルは昨年、史上最高の利益を上げましたが、穀物価格が高騰したためではありません。アメリカ以外の穀物主要生産国が不作で、世界中の穀物消費国がアメリカに殺到したため、アメリカの穀物輸出が増加したためです」

とはいえ、我々の食生活にカーギルが大きな影響を与えているのは事実。知られざる大企業カーギル。名前ぐらいは覚えておきたい。


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