もはやネットで購入できないものはないのか?

“事業”がヤフオクで落札!? ネットで売られている会社の謎

2008.09.26 FRI


ネット上で売買されている会社の数々。本店の所在地や資本金、謄本などがHPで確認できる。といっても2008年現在、ワンクリックで購入とはまだいかないようで、最終的な売買契約は対面でとのこと
国内最大のオークションサイト「Yahoo! オークション」(ヤフオク)。扱う商品は野菜から仏壇までと幅広いが、このほど出品されたのは「事業」だった。

2008年8月22日、ヤフオクで売りに出されたのは、インディーズ楽曲配信サイト「mF247」の事業譲渡についてサイトを運営していた会社と優先的に交渉できる権利。交渉がまとまれば、ドメインやサイトのプログラムなど事業を行ううえで必要な一式が譲渡される。

会社の事業のオークションへの出品は、極めて異例で関係者の注目を集めたが、フタを開けてみると1000万2000円で落札。同社社長も「あり得ないほど高額」と驚いたという。

今回、売買が成立したのは会社の事業譲渡の交渉権だったが、ネットを検索してみると、会社自体も売買されていた。

会社の所有権をネット上で販売しているのは、経営総合事務所「健友社」。サイトを見ると、不動産会社や家庭教師派遣会社など、様々な会社が商品として並べられている。だが、ほとんどの会社が資本金1000万円以上にもかかわらず、販売価格は50万円程度。一体どういうことなのか。同社責任者によれば「販売しているのは使われなくなった会社、いわゆる休眠会社」だという。

「不要な会社を弊社で買い取り、広告を出し、それに何らかの価値を見いだした方に販売しています。株式会社の場合、販売価格は50万円前後が多いのですが、会社に免許などが付いていたり決算資料があると、高額になります。お客様のニーズは人それぞれですが、たとえば『新設の会社では商売上、取引先に相手にされないので社歴の長い会社が欲しい』という方や、会社を新設するよりも買った方が早いという方もいます」

ITジャーナリストの佐々木俊尚氏は、ネット上の事業や会社の売買について、こう指摘する。

「『mf247』の収入源の1つが曲を公開するアーティストから徴収する登録料でした。運営者によれば『つまらない曲を大量にアップする人が出てくるのを防ぐため』ということでした。今回、事業の売買交渉権が売りに出されたのも『mf247』らしいやり方ですね。事業運営権そのものを売りに出して、おかしな人に安値で落札されてしまうことをあらかじめ防いでいるのです。そうした手立てがない会社の売買はどういう使われ方をされるのかわからないので、問題となるケースが出てくるかもしれませんね」

近年、日本でも増加傾向のMA(企業の合併・買収)。今後、ネット上での取引が増えるためには、その仕組みづくりが必要になりそうだ。

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