生産性だけを求めるのはもう限界?

世界の賢人が予測した「成長の限界」とは?

2008.09.18 THU



写真提供/時事通信
人口増加、食糧難、環境破壊いま世界が直面している数々の危機。実は35年前に今日の事態を予測し、2050年に地球は限界を迎えると警鐘を鳴らした本があった。

『成長の限界』と題されたその本は、世界各国の科学者や経済学者、教育者など約70人からなる団体「ローマクラブ」が72年に発表。「人口増加」「食料不足」「工業化」「環境汚染」「天然資源の枯渇」などの5項目に着目し、様々なデータをもとに限界論を主張している。なかには資源価格の高騰なんてホットな話題も予想。そしてさらに、「地球は経済的、生態学的に均衡のとれた状態を目指すべきで、そのためには発展を抑制するべき」との主張がこれってつまり、資本主義的な経済活動には限界があるってこと? 三菱総合研究所・社会システム研究本部の白戸 智氏に聞いた。

「この本は私たちの経済活動を考えるうえで、2つの重要なことを指摘しています。ひとつは、人間の生産・消費活動と、環境・エネルギーは複雑に関連しているということ。もうひとつは、資源の消費や環境汚染は、社会のマイナス成長の要因になりうるということです。しかしまた一方で、この本が書かれた当時では想定されていなかったことも起きています。たとえば資源価格は高騰しましたが、その影響で新エネルギーの開発が進み、環境意識が高まる効果も起きています。また、CO2の排出権取引も導入されようとしています。今は、生産のみを重視した資本主義から、環境対策を包括する新しい資本主義への変化が見られつつある時なのです」(白戸氏)

では、経済はまだまだ成長の余地がある?

「生産性のみを追求する方法では、いずれ成長は限界を迎えるでしょう。今後は、環境に負荷の少ない新技術開発や、途上国への農業開発支援など、多角的な施策を行っていく必要があると思います」(同)

資源は無尽蔵ではない。そのことを意識した発展が求められている。


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