えっ、制度自体はもうないの?

宮内庁御用達アイテム認定基準とブランド力

2008.09.18 THU



撮影/吉田敬(左)
ある日、デパ地下をうろうろしていたら、「宮内庁御用達」と書いた看板を掲げている店を見かけた。これって確か、その店の商品が皇室で使われているってことですよね。「宮内庁御用達」ってことは、やっぱり宮内庁が決めているの? 『これが宮内庁御用達だ』(日経ビジネス人文庫)の著者・鮫島 敦さんに聞いてみました。

「『宮内省御用達』制度は、明治24年に作られました。目的は国内産業の奨励、発展のためです。厳しい審査をクリアした商品のみが名乗ることを許されました。ですが戦後になり、詳しいことは不明ですが、制度は廃止されました」

あら、制度はもうないのですね。ならば、今も名乗っているお店っていうのは?

「制度があった時代に認められたか、戦後から現在にかけて宮内庁に商品を納入したことがある業者さんですね」(同)

現在は、宮内庁が「御用達」の認定を行うことはなく、また逆に名乗ることを禁止もしていない。しかしなかには、一度も納入したことがないのに勝手に名乗る場合があり、悪質な際は宮内庁が注意を行うこともあるとか。すでにない制度にもかかわらず、お店が今でも名乗る理由はなぜだろう。

「認定制度がなくなったとはいえ、やはり伝統や信頼をアピールできるブランド力は健在ですからね。名乗ることによる企業のメリットは小さくないでしょう。勝手に名乗るのはよくありませんが」(同)

でも、影響力があるからこそ、そこまでしてでも名乗りたいと思うお店がある。

「ええ。ですから『御用達』の影響力をいい方向に働かせるためにも、制度の復活は悪いことではないと個人的には思いますよ。イギリスやデンマークには現在も『王室御用達』制度が健在です。王室や皇室の影響力を使って、伝統産業を保護することもできるのではないでしょうか」(同)

「御用達」の影響力を活用し、伝統産業を日本ブランドとして確立させるのも、ひとつの手段かもしれません。


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