証券優遇税制の効果のほどは?

「貯蓄から投資へ」でホントに景気は良くなるの?

2008.09.25 THU



写真提供/アフロ
2004年から「貯蓄から投資へ」というスローガンのもとおこなわれている証券取引の優遇税制措置。株式や株式投資信託による譲渡益や配当などの税率を10%に軽減するというもので、期間限定の特別措置として、一部例外を除き、08年末に終了することになっています。ところがここにきて、この期間限定の優遇措置を景気対策として延長・拡大すべしとの声が(一部の政治家から)急浮上。でも、株式投資が増えるとホントに景気がよくなるのでしょうか? 『お金を知る技術 殖やす技術~「貯蓄から投資」にだまされるな』(朝日新書)の著者であるコンサルタントの小宮一慶さんにうかがいました。

「景気と平均株価は、一般的に思われているほどリンクしていないように思います。新規発行株を除き、株式市場においてA社の株を購入しても、株を売却した人にお金が渡るだけで、A社の資本が増えるわけではありません。株式の売買って、実は企業の設備投資に直接結びつかないことが多いんですよ」

ということは、株式投資が活性化してもすぐ景気が良くなるワケじゃないんですね?

「はい。株式投資と、商品改良や新製品を生み出して市場を活性化させる企業の『設備投資』は必ずしもリンクしません。株式投資の拡大は、証券業界の活性化にはつながるでしょうが、日本経済全体の拡大に直接つながるわけではないんです」

小宮さんによれば、貯蓄(銀行預金等)から投資(株式)にお金が流れると、かえって銀行から企業への貸し付けが絞られ、日本経済を支える未上場の中小企業に回るお金が減ってしまう恐れさえあるそうです。では、なぜいま証券優遇税制の延長・拡大案が浮上してきたのでしょう?

「株式投資が活発になれば、海外からの資金が流入したり、消費意欲が拡大し景気に刺激を与える可能性はありますよね」

うーん、解散総選挙も近そうだし、アメリカの株価も乱高下してるし、打てる対策はすべて打つべしってことなのかもしれません。


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