残留農薬の心配いらず

虫だけでなく菌まで散布!「生物農薬」って一体何?

2008.09.25 THU



写真提供/日本植物防疫協会
ちょっと小耳に挟んだのですが、虫を使って害虫を殺す方法があるんだとか。それって一体どんなもの? そんなことうまくできるものなの? 日本植物防疫協会の石塚仁さんに疑問をぶつけてみました。

「それは生物農薬のことですね。生物農薬とは、人間の食べる作物を荒らす害虫を何らかの方法で駆除してくれる生物を農薬として放つことです。主に2種類に分けられ、害虫を捕食する昆虫やダニは『天敵農薬』、害虫を病気にさせたり、植物の病気を防ぐ菌や線虫は『微生物農薬』と呼ばれます」

わざわざ虫を撒くなんて! その虫が、人体に影響を及ぼすことはないんですか?

「生物農薬の虫は、日本で冬を越せないものを選びます。子供を作って畑にすみ着いてしまうことはないので、撒いた虫がまん延することはありません。他にも畑周囲の生物への影響や、人間にアレルギーが出ないかなど、実験を重ねて選別してます」

では、生物農薬のメリットは?

「まずは安全性でしょう。化学農薬のように作物に付着して残留しないので、人体に影響がありません。それに化学農薬だと撒ききれなかった部分に害虫が残りやすいですが、生物農薬は自ら害虫を探して捕食するので、害虫が生き残りにくいんです」

なら、化学農薬が使われなくなる日も近いのでは?

「ただし、生物農薬は撒くタイミングが難しいんです。化学農薬は害虫を見つけてからでも駆除できますが、生物農薬は害虫がまん延してからだと、大量に撒かなければならず、コスト的に見合わなくなってしまいます。生物農薬の先進国・オランダでは、農薬を開発している企業の担当者が畑ごと請け負っているので、適したタイミングで虫を撒くことができるのです。これからは日本の企業もそういった対応が必要になるでしょうね」

生物農薬はまだまだ発展の余地がある模様。どう改良されていくのか、今後もムシできない存在です。


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