前年同月比マイナス87.5%!

貿易収支赤字になると日本経済はヤバイの?

2008.10.02 THU



写真提供/APImages
数字の大きさに驚く人も多いかもしれない。財務省が発表した7月の貿易統計(確報値)で貿易黒字が、なんと前年同月比マイナス87.5%の855億円に。さらに8月の速報値ではついに3240億円の単月赤字に転落(前年8月は7346億円の黒字)。6カ月連続で前年を下回っている。日本は貿易で稼ぐ国、と子どものころから教えられた身としては、心配になってしまうのだが。

貿易収支は「輸出」から「輸入」を引いて算出される。そこで、ずらりと並んだ統計数字を眺めてみると、見えてくるのは「輸入」の増加ぶりだ。こちらは前年同月比2ケタ増もずらり。7月に至っては18.2%も大きくなって、過去最高の輸入高を記録している。この背景にあるのは、原油高や原材料高。つまり、その結果として輸入価格が上がったことが、貿易黒字の減少幅を大きくしてしまったということだ。

では、輸出はどうかといえば、これが意外に健闘しているのだ。6月こそ前年同月比でマイナスに転じたものの、7月には前年同月比8%もの伸び。不況といわれている割には頑張っている。マイナス87.5%などというショッキングな数字が出たのに、メディアが意外に平静なのはそのため。原油高や世界経済の減速もあり、そもそも貿易収支減少は織り込み済みだったのである。

貿易黒字が9割減、というと、給料なら手取り9割減なんてイメージが浮かぶかもしれない。また、ついに貿易赤字、などと聞くと、破たんのイメージすらちらつくが、実はそれは違う。そもそも貿易の「黒字」「赤字」という状態は、一般的な意味での「利益」「損失」とは異なる。むしろ現状でフォーカスするなら、輸出入の規模だろう。国に活力があれば生産が拡大して輸出も増えるし、消費旺盛で輸入も増える。この規模が縮小する方が怖い(それを大きく左右するアメリカの景気は心配だが)。ちなみに今の日本が最も稼いでいるのは実は投資収益などによる所得収支。昨年は貿易黒字の1.5倍、だった。


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