韓国ウォン暴落でアジア通貨危機再来!?

かつてアジアを襲った「通貨危機」が招いた混乱とは?

2008.10.16 THU



写真提供/AFLO
韓国ウォンの下落が心配されている。資源・穀物価格の高騰や世界的な不況を背景にした輸出減などによる韓国経済の先行き不安に加え、世界的なドル高傾向もあって、昨年秋から20%以上も下落。なかには、暴落で「アジア通貨危機」再来か、と伝える報道もあった。「アジア通貨危機」とは何だったのか。

始まりは1997年、タイの通貨バーツの暴落から。タイは80年代から経済成長を期待した資金が海外から流入、高い経済成長率を誇った。当時のバーツはアメリカのドルと連動する事実上のドルペッグ制を採用していた。ところが、90年代半ばからアメリカの経済政策でドルが高めに推移するようになる。すると連動するタイバーツも高くなる。日本でも円高は輸出産業に打撃だが、バーツ高でタイの輸出は伸び悩んだ。

こうなると、ドルと連動して高くなったバーツの価値に疑念が生じるようになる。バーツは過大評価されているのではないか、と。この市場の懸念に押し切られる形で、バーツは実質的な変動相場制に移行せざるを得なくなり、為替レートは急落した。

悲劇だったのは、海外からの借金の多くがドル建てだったこと。暴落で通貨の価値が半分になれば、借金は倍になる。一気に負担が大きくなってしまったのだ。株価は急落、倒産が相次ぎ、失業者が街にあふれた。通貨の暴落、つまり通貨危機が一気に経済を瀕死状態に陥れたのである。

そしてこれがインドネシアや韓国にも飛び火、通貨が暴落した。韓国は、ウォン買いドル売りの為替介入を実施したが、外貨準備高が底をついてしまう。結果的にIMF(国際通貨基金)の史上最大規模の融資と引き替えに、緊縮財政や財閥解体など、改革を迫られることになる。経済は一時的に大幅縮小、大量の失業者が出るなど社会が大混乱した。だからこそ、通貨の動きには韓国は敏感なのだ。通貨が下落すれば、外国への支払い負担は大きくなる。通貨の下落、実は怖いのだ。そしてこの通貨危機、わずか10年前の話なのである。


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