銀行にマネー滞留!

預金超過10年で10倍!から読み解く日本経済の横顔

2008.10.16 THU



写真提供/時事通信
銀行にマネーが滞留しているといった報道を目にした。マネーが滞留って、要は銀行にお金がたくさんあるってこと? 日銀の統計で、7月末における民間銀行の預金額は約549兆円。対して貸し出しは約404兆円。預金額から貸し出しを引いたものを預金超過額と呼ぶのだが、どうやらこの預金超過額が多すぎることを滞留と表現しているらしい。1999年の段階では預金超過額は現在の1/10程度の約12兆円だったので、確かに増えている。でも、どうしてこんなに増えたのか? 詳しい話を神戸大学大学院経済学研究科の地主敏樹教授に聞いた。

「2000年以降に預金超過額が増えているのは、いわゆる小泉改革によるものです。不良債権処理にともない銀行の融資の審査が厳しくなり、問題のある企業への貸し出しをしなくなりました。結果、銀行の預金から企業への貸し出されるお金がどんどん減っていったんです」

加えて、現在の金融危機も関係しているのだとか。地主教授いわく「これまでは投資に向かっていた個人マネーが、昨今の金融危機によってリスクを避け、より安全な預金に向かっている感じがします。これによって預金自体が増加し結果的に預金超過額も増加している可能性もありますね」とのこと。しかし、これだけ余っているお金はいったいに何に使われているのだろう。

「企業向けに貸し出されていないお金は寝かされているわけではなく、別の形で市場に流れています。まずは個人向けサービス。最近の銀行の動向に見られる、消費者金融の買収やグループ化などもそのひとつ。個人向け融資が弱かったので、ノウハウごと手に入れるのが狙いでしょう。あとは、海外の銀行や証券会社への投資で影響力を強めています。他にも、国債などの債券を購入したりしていると思います」

預金超過とはあくまで預金額と貸し出し額との差額。貸し出されていないからといって、別にお金が塩漬けになっているわけではないようです。


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